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Negicco / Rice & Snow を聴いてみた

2015.01.26.Mon.01:57
リリース日に我が家に到着。
日を跨いでアルバムを聴くに至った、
アイドル界を越してミュージシャン、CDショップ店員にまで名前と評価の高さが波及した今作。

内容が長いのでアルバムを聴いた率直な「感想」と、聴いての「論評」に分けた上で
何様目線でお送りしたいと思います。
ご容赦下さい。

○感想
1曲目「トリプル!WONDERLAND」でまずブチ上げてこれから始まるアルバムの旅路の出発を飾る。
からの「ときめきのヘッドライナー」の冒頭で盛り上がりの気持ちをストンと落とし、その流れに乗っかり
「1000%の片思い」の緩やかなペースに。
今作初収録となるNao☆作詞の新曲「クリームソーダLove」までで保たれていたその調子を、
「サンシャイン日本海」の眩しさがそれまでの冬の景色を "そこは雪国だった" かのように崩し、
トンネルを抜けて開けた夏の日本海に連れていく。
「裸足のRainbow」が海辺の街並みを二人でゆっくりと歩いた思い出を閉じ込めると
「二人の遊戯」で一気に夜の風景になだれ込み、過去を忘れ去り新しい出会いへと移行する。
同じ四つ打ちのダンスミュージックでありながら
「パジャマ・パーティー・ナイト」ではかわいらしさが印象的。
前曲がNegiccoの背伸びした部分であるなら本曲は等身大の彼女たちそのものが現れる。
ここがアルバムの折り返し地点であることを明確にする「BLUE,GREEN,RED AND GONE」が
高速から見える光輝くネオンとカーライトの中をすり抜けていき
幻想的な光景に心打たれたまま「Space Nekojaracy」の
"空の上には猫じゃらし"の歌詞と曲調のギャップが聴く者のアンニュイな気持ちを加速させ、
有無を言わさず僕らを宇宙に放り投げる。
ふわふわと空を漂った僕たちの手を引き、地球へと連れ戻してくれたのは紛れもなく「自由に」であり、
「光のシュプール」がこの旅路の終わりを告げるとともに、夏の季節がまたここで冬へと戻ってくる。
「ありがとうのプレゼント」はここまでアルバムを聴いてくれてありがとうのメッセージであり、
長いツアーを終えてのネギらいの品、という
本作品をゆっくりと閉じるエピローグとなる。

以上はNegiccoの自己紹介から彼女たちの本拠地である新潟の光景を写し、
そこから高速に乗って上京し地域感は打消され、
その波にのまれつつ現れた今現在の最新の彼女たちが最後に見えてくるという
壮大なストーリーであり、その曲順と構成は秀逸。
そして、「ふう…」と全ての曲を聴き終えCDをオーディオから外しケースに戻すと、
我々のような、"普通の人はもう買わなくなった"と言われるこのご時世に
いまだにCDを買って聴く様な人間はあることに「あっ」と気づき、驚くのである。
それはもう感動的ですらある。
ケースのフィルムを外し聴き終えて棚に戻すまでの、
本当の最初から最後に至るまでのその完璧ぶりに
末恐ろしさまで感じさせる良盤である。

それぞれ、参加した作曲家・ミュージシャンの紹介するとともに
関わった曲を以下に。
「トリプル!」と「二人の遊戯」はドラマーとして様々なミュージシャンのバックでプレイし、
数々のアイドルへの楽曲提供も行う矢野博康、
「ときめきのヘッドライナー」はNegiccoに数多く曲を提供するNONA REEVESの西寺郷太。
自身が影響を受けた80年代ポップスを匂わせるNegicco風ディスコチューン。
「サンシャイン日本海」で作詞作曲、「光のシュプール」で編曲を行った、
いわゆる"渋谷系"ミュージシャンの一翼であるオリジナル・ラブの田島貴男。
音楽界を一直線に走り続けた男の手腕が作り出した心地よいポップス。
「BLUE,GREEN,RED AND GONE」はブレイクビーツのユニットである口ロロ(くちろろ)の主催者である
三浦康嗣。
本曲でもお家芸といってもいいスタイルを披露。
ASPARAGASの一瀬正和の軽快でスピィーディーなドラムが如何なく発揮され、そこがとても印象的。
「自由に」は環境学を学び環境音楽の作曲でワールドワイドで活躍する蓮沼執太。
過去に小山田圭吾、渋谷慶一郎、ジム・オルークなんかと関わったりしてて「あーなるほど」と笑。
「Space NekoJaracy」の編曲にスタダ系アイドルへの楽曲を提供する吉田哲人。
小室サウンドを思わせる80年代末~90年代感。
聴いたことがある人はチームしゃちほこの「いいくらし」を思い浮かべると思う笑。
「クリームソーダLove」の編曲にアニメ楽曲を数多く作曲する北川勝利、
またバックバンドとして
「1000%の片思い」にshiggy Jr.、
「裸足のRainbow」にスカート、
「パジャマ・パーティー・ナイト」にOrlandと、
いまのインディー界隈で人気を集めるバンドが参加。
主に編曲で参加した各作曲家・ミュージシャンの楽曲には雰囲気に一貫したものが感じられる。
そして、某企業の営業として働くわれらがconnieさん。
Negiccoの楽曲を今に至るまで支え続けてきた
決して忘れてはならない重要なお方。

という、制作布陣も超がつくほどの豪華という一枚になっている。

○論評
前アルバム「Melody Palette」は、それはまさにPerfumeの「Complete Best」のような
音源単位での今までの活動の総括だったが、
「Rice & Snow」はT-Paletteに移籍して以降の新しいファン、あるいはこれから知ってもらうための
Negiccoの名刺代わりになるような1枚になっていると感じる。
というのも、移籍後のNegiccoというのが"音楽ファン層をターゲットにしている"というところ。
今作にもそれが現れているのは、「感想」部で先述したとおり。
音楽マニアなら聴いたことのある名前が制作陣に並んだり
インディーバンドと繋がっている点だ。
大物とのコラボや楽曲提供はNONAの西寺氏からあったが、
決定的となったのはやはり元ピチカート・ファイブの小西康陽氏の作詞作曲による
「アイドルばかり聴かないで」、通称"アイばか"だろう。
ここでの楽曲の発表とそれによるとりまく周囲への影響が、
Negiccoの活動方針の道筋を明確にしたのではないかと思う。
これ以降の田島貴男からの楽曲提供や
メンバーのブログ・twitterでの音楽好きの発言などがそうだ。
今作もこの方針の流れを踏襲して作られたものであるといえる。
これがメジャーのレコード会社所属のアーティストやアイドルであれば、
もっと一大プロジェクトのような形で老若男女一般にも知られてる人をフューチャーしたり
メディアを使って大々的に宣伝を行ったりするのだろう。
しかしそこはNegicco、長期的なプランを立てない(考えてない??)戦略、
メンバーの彼女たちの性格や考えなど
やもするとマイペースと思われがちな活動をしてきたためか、そうはならなかった。

また、アルバム通して聴いての、全くの自分個人の印象なのだが
これはPerfumeの「GAME」だな、と。
「GAME」というアルバムは今までの方針を総括し、さらにPerfumeの人気を決定づけた名盤になった。
Negiccoの「Rice & Snow」もそれになり得る可能性をじゅうぶんに備えている。
「全然違うじゃねーか」って言われそうだけど笑、そう思うのはアウトプットの違いだ。
「GAME」はプロデューサーである中田ヤスタカの打ち出すテクノポップを意識した明確なコンセプトと
彼一人ですべての楽曲を作成するという一貫性が
アルバムのクオリティの高さと魅力を示している。
対して「Rice & Snow」はconnieさんという作曲家を基盤に据えながらも、
大物とのコラボやバックバンドとの共演という形でアルバム全体のクオリティと一貫性を表している。
世界観の構築が一人の人間によるものか多数の人間によるものかの違いというだけで
アルバムという作品の目指していた点、生み出されたものは同じだ。
もう一つ共通点があって、それは実際にステージに立って演ずる表現者たる"彼女たち"の存在だ。
「メンバーが三人だから同じ」ってことじゃない。
Perfumeはテクノポップアイドルとしての、テクノポップを演ずるロボットのような、
まさに「入れ物」の存在だった。
それはPerfumeが「近未来型テクノポップ ユニット」として「GAME」まで持っていた明確なコンセプトでもあった。
Negiccoのメンバーも実は「入れ物」である。
多くの楽曲提供者、バックバンドとの共演、そして一貫性がありながらも
幅広いジャンルを一飲みにするようなジャンルをカバーしている今作。
少なくとも、それまで楽曲含めてすべて"Negicco"としてのキャラクターで売り出していたものが
この「Rice & Snow」に関しては様々な楽曲を彼女たちが咀嚼して、
彼女たちを通過して"Negicco"を表現するに至っている。
「入れ物」としての彼女たちが、NegiccoをPerfumeたらしめるものであり、
アルバムを通して聴こえてきた歌声から、
そんなふうなものを感じ取った。

あくまでNegiccoとしてのやり方を堅実に実行して結果生まれたのが「Rice & Snow」。
自分たちなりに、自分たちのやり方で突き詰めていった結果、自然な形でこうなったのだ。
これが彼女たちとそのスタッフ(と嶺脇社長)の"天下取り"だ。
そしてそれは素晴らしい形となって世に送り出されたと感じる。

ま、しかし一つ物申すとすれば、
インディーバンドを従えたバックバンドですかね。
関わった曲に関してのこと。
もともと自分たちの楽曲・グルーヴを表現するバンドをバックバンドとして起用することは諸刃の剣だ。
そもそもが自分たちが前に出るのが普通なので、バックバンドになることに徹しきれない。
また、バックバンドになることで、そのバンドの持っている個性が奪われかねない。
表裏一体、吉と出るか凶と出るか、今回は裏目に出てしまったような印象がある。
バンド自体の批判は全くしないけど、バックバンドとしての起用はあまり評価できないのが正直なところ。
さらにもっと、辛辣なこと言うと、「1000%の片思い」のコーラスは要らなかったな、と。
シングル収録のバージョンだとコーラスが入っていない(コラボしてないから当たり前だけど)。
あの"間"が良かったんだけど、隙間が空いてたと判断したということなのだろうか。
全体の雰囲気と合わせるというのを優先したのかもしれない。
この記事を書いているのは1/24のNegi Fes以降で(筆者は現場に行った)、
実際にNegiccoのかわいらしいダンスを目の前にライブバージョンで聴くとすっごく良かった。
やっぱり補正があるね笑
編曲やマスタリングに一つ加えれば良くなったのかも。
ライブで聴くといい感じなる曲としておこう。


最後グチグチと書きましたが笑、それを差し引いても本作は名盤です。
これがもとでNegiccoの持つ本来の魅力が伝わらないのでは? などと危惧する必要はない。
このアルバムによってもっといろんな人にNegiccoが知ってもらえる恰好の機会となるはずで。
本作品は「この娘たちは何者だ?」と思わせるに十分な力を備えている。
そう、これはあくまできっかけに過ぎないのだ。
もっとNegiccoというグループが多くの人の目に触れ、評価されていってもらいたいと
心から思います。


Rice&SnowRice&Snow
(2015/01/20)
Negicco

商品詳細を見る










※1/25加筆・修正済

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