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対談Vol.3 ~コンサートホール問題~

2016.09.03.Sat.22:40
司会者「お久しぶりです」

おとうと「お久しぶりです」

司会者「またちょっとあいだ空きましたね」

おとうと「前回ほどじゃないでしょ」

司会者「季節変わっちゃいましたよ」

おとうと「変わっ…ちゃいましたねぇ…あいだ空きましたね」

司会者「認めたw」

おとうと「いやーことしもたくさん夏フェスが行われましたねえ」

司会者「おっ自分から急に来たw そーですよ夏フェスですよ」

おとうと「もう9月に入って…7月8月の2ヶ月たくさんありましたね。頭の京都大作戦からDEAD POP、なつびらきフェス、フジロックと」

司会者「8月もロッキン、サマソニ、ライジング…まさにフェスの季節、真っ盛りって感じでしたね」

おとうと「ほんとに全国津々浦々、いろんなところでやってますよねぇ。え、こんなとこでやるの?みたいなのもあって。会場に関してここ最近で自分が気になったのが、フェスじゃないんですけど、One Ok Rockですね」

司会者「ワンオク。最近だと海外ツアー決まってますよね。日本でやるんですか?」

おとうと「ええ、9月に2DAYSありまして。んで、そこの会場が静岡の渚園なんですけど」

司会者「えっと……どこですか?(笑)」

おとうと「ほんとにね(笑) 思わずGoogleMapで調べちゃったりして」

司会者「つま恋でもなく」

おとうと「浜松の浜名湖にあるスポーツ施設のあるキャンプ場みたいなんですね。なんでまたそんなとこだよっていう」

司会者「ファンもびっくりでしょうね(笑)」

おとうと「さっきのつま恋が有名ですけど、なんらかの事情か何かでそこにしたんでしょうね。今年は、彼らの所属するアミューズのフェスも無かったですし」

司会者「何かつま恋は営業終了みたいですよ。ついこないだのニュースで出てましたね 」

おとうと「あら!そうなの!そのせいか!(笑) まあそれはそれとして、最近そんなとこでやるの?とかなんでその会場?みたいな場所でのフェスやコンサート多いなって思いません?」

司会者「それはちょっと思いますね」

おとうと「でしょ?もう一個例を挙げておくと、Perfumeですね。今年ニューアルバムを出してちょうど4~7月にツアーがありまして、会場が幕張3DAYSあったんですけど、関東はそこだけ、東京は無し。西日本は関西は大阪兵庫が無しで和歌山。一番西の会場が徳島っていう。」

司会者「え、広島とか九州無かったんですか。東京も。せっかくのリリースツアーなのに」

おとうと「一応追加公演で、ドームで名古屋、大阪、福岡は決まったんですけどね。でもやっぱり東京は無かったという」

司会者「はー…。それは…会場が押えられなかったとか?」

おとうと「そんな風にファンの間では言われてたんですよ。結局そういうことじゃね?っていう感じで」

司会者「やっぱ、そうなんですかねぇ」

おとうと「そう。このコンサートの場所が辺ぴなとこ、全国各地を満遍なく回れないっていうのは、会場が取れないっていうのが原因なんじゃないかと。で、それは以前から言われている各種ホール、競技場の耐用年数の問題に関わってるんじゃないのかなっていうのが今回話そうと思ってることなんですけど」

司会者「お、三回目にして今までで一番スムーズな流れの導入なんじゃないですか?やったじゃないですか」

おとうと「いや~がんばりました。そいで、この会場がない・取れないのいわゆる”2016年問題”を絡ませた"箱"問題をテーマに話していきたいと思います」

司会者「は~いよろしくお願いします~」

おとうと「とりあえず、おさらいからしておきますか。2016問題とはなんぞやと」

司会者「はい、導入部分を」

おとうと「2016問題っていうと漠然とし過ぎなんですけど、正確には『劇場・ホール2016年問題』と言いまして。劇場やホールがこの2016年に何が問題かっていうと、ミュージシャンや劇団、その他イベント興業が会場を使えなくなるというんですね。なぜ使えなくなるか、2020年に開催される東京オリンピックのためにに首都圏のホールや大型施設の改修や建て替えを行うから、というわけなんです」

司会者「はい」

おとうと「2016年1月に東京国際フォーラムのフォーラムAと横浜アリーナ、2016年2月にさいたまスーパーアリーナと、大型施設がが相次いで改修工事に入ったんで、それが発端となってってことですね。それでこの問題提起として去年の秋にサカナクションの山口一郎や能楽師の野村萬らが合同で会見を行ったのが大きなトピックになりまして」

司会者「話題になりましたね」

おとうと「で、この会見のメディアの記事読んだら、『僕ら会場使えなくなるんですけど』って訴えてるだけじゃないの?と思ったんですが、もっと読んでみたら『国や関係各省庁に改修時期の調整をお願いしたい』っていうのと『エンタメ企業と意見交換を交わしたい』ていうことだったみたいですね」

司会者「はいはい。2016年問題というのは会場がすぐに使えなくなりますという話じゃなくて、実演者側が危機意識を持ってますよっていう外へのアピールと、ちゃんと調整お願いしますねっていうことを申し上げたいと」

おとうと「まとめてくれてありがとう(笑) 『問題』って言っちゃうからややこしくなるんだけどね。いま直近で深刻な問題にはなってないけど、いずれ困ることになりますよ、と。これが『2016年問題』」

司会者「はい。でもここで『東京オリンピックのため』って言ってますけど、以前から改修されてましたよね?それこそ解体された国立競技場とか」

おとうと「そうそう。国立競技場もそうですし、その横にあった日本青年館もおなじく解体されました。2015年の4月でしたか」

司会者「ビジュアル系バンドの聖地と呼ばれた」

おとうと「『8時だョ!全員集合』でも使われてたみたいですけどね。あとは渋谷公会堂ですね。ここも2015年8月に閉館して解体と建て替え作業。そのほか2010年に東京厚生年金会館、2013年に横浜BLITZ、2014年にSHIBUYA-AX、2015年に青山劇場とゆうぽうとホールが閉館と。」

司会者「続々と、って感じですね」

おとうと「はい。で、この2016年問題。『首都圏の』ってなってますけど、会場が改修なり解体なりで使えないのは東京とその周りだけ?っていうのが疑問になるところなんですが」

司会者「え、首都圏だけじゃない?」

おとうと「地方はけっこう大丈夫でした」

司会者「なんだ、思わせぶりなことを(笑)」

おとうと「東京の渋公とか日本青年館みたいにガタが来てるってことで閉館したホールとか、あるいはこれから改修・新築しようかっていう話が出ているところもいくつかあるんです。その多くは60~70年代に建てられたものばかりで。その一方で、ここ20年の間に新しく建てられたホールも多いんですね。この数年の間に改修工事が終わってリニューアルオープンした会場もあるみたいです」

司会者「はー。じゃ、地方だと『2016年問題』提起側の要望でもある『改修時期の調整』が出来てるわけですね」

おとうと「あっちがダメでもこっちがあるよと(笑) 偶然なのか、連携が取れてるのかわからないですけど。それぞれ、まあうまいこと工事の時期がズレて困ったことにはなってない現状みたいですね」

司会者「たぶん前者でしょう(笑) そうするとやっぱり首都圏の問題ってことですかね」

おとうと「そうなりますね…2016年問題の会見で山口一郎が言ってましたけど、首都圏はアーティストの稼ぎ場で、そこで得たお金でもって地方公演が回せると。すると収入に直結する首都圏のライブが滞れば自分たちにもお客さんにも影響が来ますよと。」

司会者「なるほど。でも、ですよ。ホールも都内ではまだ建ってから新しいところやその数も多いし、アリーナレベルの施設も軒並み改修工事は終わってる。だったら2016年問題はもうそんなに大きな問題じゃないんじゃないんですか?」

おとうと「いや、施設の耐用年数をクリアしてるってだけなんですよそれは」

司会者「? どういうことです?」

おとうと「確かに2016年問題は施設のガタからから浮かび上がった問題なんですけど、いまってCDの売り上げが減ってるじゃないですか。代わりにライブでの売り上げが伸びてる。そうするとこれからライブ主体で動いていくアーティストがどんどん増えていきますよね。そうなったときにやっぱりライブ会場の使用がかち合っちゃうと思うんですね」

司会者「はあ。まあ確かに」

おとうと「ホールやアリーナの数はもう決まってる。でもライブの数は増やしたい。そうなると『ライブの数を増やしたい』ってなってもできない」

司会者「それって、まあ例えば1万人の会場が使えなければ5000人の会場を2日間で。5000人の会場が使えなければ2000人の会場を3日間でっていう、そういう風にすればいいんじゃないんですか?」

おとうと「理屈はそれでいけるんですけど、現実にはというと疑問ですね。アーティストやプロモーター側も『この会場でデカい仕掛けを使ってライブをやりたい!』とか、ライブに対する自分たちのビジョンや狙いがあるじゃないですか。そこで小さい会場となるとデカい仕掛けは使えないですよね。会場によっては火器の使用が制限されてたりもするし。それと、メジャーのアーティストのライブは大体が全席指定でしょ。例えば1000~2000人規模の会場でも、ライブハウスみたいにオールスタンディングだと来場するお客さんも躊躇しちゃうと思うんですよね」

司会者「あ、なるほど。それはある」

おとうと「ワンマンならまだいいですけど、ツーマンとか複数参加するイベントだと、音楽が激しめのバンドだとモッシュに巻き込まれちゃいますもんね(笑)」

司会者「フェスで時々見るやつだ(笑)」

おとうと「ほかにもドームやスタジアムを使うにしても、プロ野球を中心としてスポーツの試合日程と調整をしなくちゃならない。だからいま現在改修してるコンサート会場ないですよっていっても、昨今の音楽市場の状況やトレンドから、今後は『ライブをする会場は足りなくなる』のでは?と見てますね」

司会者「う~んなるほどね」

おとうと「で、ここまでが売れてるアーティストの話題ね。こっからはそれ以外のアーティストの話」

司会者「おっとぉ」

おとうと「大手に属して、アリーナレベルのハコでライブをする人ばかりがアーティストじゃないからね(笑) たとえば、会場が大きくてもワンマンではZeppクラスまでとかの人たち」

司会者「いわゆるロキノン系のアーティスト」

おとうと「あとはAKB、ももクロ以外のアイドルとか。これまで千数百人以上のホールとかアリーナ、ドームっていう話をしてましたけど、Zepp以下、1000人に満たないライブハウスにおける2016年問題もあるだろうと」

司会者「サカナの山口さんも言ってた『アリーナの会場のしわ寄せが来て、玉突き現象で最後にはライブハウスにも影響するかもしれない』っていうやつ?」

おとうと「や、それはさっきも言いましたけど、指定席でライブを楽しんでた人がスタンディングのライブに来るかって話で。あったとしても数は少ないと思いますね。でも、そのライブハウスでも『会場が使えない』問題は出てくると考えてます」

司会者「?玉突き以外にライブハウスが使えなくなる理由がある?」

おとうと「アリーナは結局、そのクラスのアーティスト同士の会場の取り合いじゃないですか。ロキノン系やアイドルも、同じ集客力のアーティスト同士で会場の取り合いをするってことです。ライブハウスにおける2016年問題は、言ってみればアリーナの縮小盤ですね」

司会者「はー、会場の規模が大きいか小さいかってだけで」

おとうと「発生する問題は何も変わらない。同じなんです。サカナ山口氏の指摘がほんのちょっとズレてるだけで、実際のその問題は起こり得る可能性がある」

司会者「なるほど。じゃあZeppクラスの人が箱を押えられないから、1000人規模のを2日間。1000人クラスの人が箱を押えられないから500人規模のを2日間て感じで…」

おとうと「最終的には100人規模でライブやってた人はハウスパーティーに」

司会者「なるか(笑) しかしまあ末端にまでしわ寄せが来るってことはあり得るかもですね」

おとうと「はい。そんでね、アリーナクラスのアーティストにしてもライブハウスのアーティストにしても、2016年問題の元をたどると『ライブの需要が伸びてる』ことに起因するわけですよね。CDの売り上げはここ10数年右肩下がりで落ちてる。逆にライブでの売り上げは右肩上がりで伸びてる。そうすると自然と『ライブの規模を大きくする・本数を増やして収入を得る』って考えになりますわね」

司会者「普通に考えたらね。売り上げの低迷してる、市場規模が縮小してるところに時間とお金かけたところで」

おとうと「採算が見合わない。つまり2016年問題は、CDやレコードの売り上げが持たなくなって噴出する問題なわけです。これまでに発生なかったことが今まさに起きようとしている」

司会者「ふーむ、致し方ないとうかなんというか」

おとうと「これは本当はもっと早く起こってたことだと思うんです。結局いまの音楽業界がいつまでもCDの売り上げに頼ろうとしてて、ズルズルズルズルいって2016年の今になってこういう問題が懸念されるようになったと。そこにたまたま会場施設の耐用年数の話が被ったってだけで」

司会者「遅かれ早かれ会場の取り合いが切迫してたと」

おとうと「はい。2016年問題を改めて整理し直してみたわけですけど、とりあえず今の現状と予測されるものはそんな感じですかね」

司会者「なるほど…あの、問題提起は実演者側からあったわけですが、具体的な対策って何かないものなんですかね」

おとうと「具体的になんもないっすよねえ。少なくとも何も聞こえてこない。問題提起の会見は結構大々的に報道されましたけど」

司会者「音楽業界とそれに関わるところはちゃんと問題として受け止めて動いているのか、それとも動いてないのか何も考えてないのか…」

おとうと「それでね、まあ業界側は何やってるかわかんないですけど、ちょっと自分なりに、この状況を打破する方法を考えまして」

司会者「おっ、マジですか?」

おとうと「ええ、まあ、いち個人の意見ですけど、一応ちゃんと大真面目に考えたつもりなんで、そのつもりで聞いてもらえれば」

司会者「はいはい、お願いします」

おとうと「これまでと同様にアリーナとライブハウスを使うアーティストに分けて話をしますか。まずアリーナレベルそれ以上の会場を使うアーティストから。これはやっぱり『うちは豪華なセットを使いたい』っていう考えを変えるところからかなと。もちろん先に説明したように色々な事情があって大きい会場を使いたいということなんでしょうが、まずそれを改める」

司会者「いきなり、結構むずかしいところから来ましたね(笑)」

おとうと「意識改革ってねえ(笑) 自分で言っといてなんだけど。ライブの本数を少なくするってことは、会場の手配やブッキング、それにセットや移動費をかけないってことなんで、もちろんなるべく少ないほうがいいのは確かなんですけど。でも現状そうは言ってられないじゃないですか」

司会者「まあそうですね」

おとうと「でもいま、自分が考えるより規模の小さな会場でライブをやっておけば後々につながると思うんですね。アリーナクラスのアーティストが今までより小規模のライブを行うとどうなるか。今みんなが渋ってるところに早めに乗り出せば、その分野では先駆になれる。成功すればノウハウもほかより一歩先んじることになる。これは新たなビジネスチャンスだと思うべきですね」

司会者「ふむ」

おとうと「そうすると、ホールやZeppクラスのハコを使うことになるんですが、ここもお客さんに理解を示してもらうと。ホールはまあいいとして、ライブハウスはスタンディングですから、もしライブをやるとなったらお客さんにそれに慣れてもらう。これはただの一回じゃなくて、何回かライブやらないといけなくなるでしょうが。もし不安なら、ライブハウスに座席を並べてしまえばいい」

司会者「投資が必要ですね」

おとうと「そうですね。ある程度そういうのを見越してやる。実例で言うと、最近はミスチルがZeppでライブやったじゃないですか。」

司会者「あれは話題にもなりましたよね!」

おとうと「90年代からのファンはとりあえず置いといて、若い20代以下のファンならフェス慣れしてるし、スタンディングは抵抗がないでしょう。それにミスチルレベルなら、2000人それ以下の規模のハコでやるっていったらチケットも超が付くほどのプレミアものじゃないですか。もう都内じゃなくて地方でもやるべきですよね。名阪あたりでも十分でしょ」

司会者「ホールでの全国ツアーをやるみたいですね」

おとうと「ほらほら、その気じゃん(笑) ミスチルはいまそういう方向にシフトしてるってことだよね。超売れてるアーティストが地方で2000人規模のハコを回る。その先端に彼らは立っているわけだ。アリーナクラスでライブをやるアーティストのいいケーススタディになるかもしれない」

司会者「なるほど。もっと考えを変えて、実践していけよと」

おとうと「はい、『今の状況をうまくプラスに変えろ』と。次にライブハウスでの活動を主体とするアーティストですが。ここでも結局はアリーナクラスを使うアーティストと構造は一緒ですね。Zeppクラスのは1000人以下、1000人以下のは500人のハコでと。でもアリーナと違うのは、このクラスのアーティストは比較的小さい箱でライブをやることにあまり抵抗がないことですね」

司会者「あんまり小さいと『売れてなかった時期を思い出す!』ってなりそう(笑)」

おとうと「トラウマがフラッシュバックして(笑) まあそれもあるとして(笑)でもアリーナクラスの人たちよりかは…」

司会者「抵抗ない、でしょうね」

おとうと「ね。逆に『小さいハコでやりたい!』って言い出す人もいるくらいだし。でね、まあやるはいいとして、あとはライブハウスとのブッキングになるんですけど、ここがミソになるかと。」

司会者「数が足りなくなる、取れなくなる」

おとうと「それもありますけど、もう一つはライブハウス側が使用許可するかどうかだと思うんです。古くからあるライブハウスは、オーナーさんや店長さんがこだわりを持っている人が多いでしょ?ライブハウスの敷居とかもあるし。『ウチではこういうアーティストは出しません』とか。そのハコに愛着のあるお客さんも居ますよね。『ここに○○みたいなアーティストは来て欲しくない』みたいな」

司会者「はあはあ。インディーマニアの人とか」

おとうと「でも、ここはチャンスだと思うんです。ライブハウスだって慈善事業じゃなんだから、お客さんにお金を払ってもらって運営ができる。お金が入ること自体は決して悪くない。もちろん僕もそういったライブハウスの文化は好きですし残していきたいと思ってる。でもガチガチに固められたプライドで貧乏になるよりかはよっぽどマシだと思うんです。変に意固地になって、いま目の前にあるチャンスを逃すのはもったいない」

司会者「うん、うん」

おとうと「頑固な態度をとるところがある一方で迎合するところも出てくるでしょうけどね。人気のないアーティスト、アイドル、なんでも来いよ!っていう(笑) それとこれもアリーナクラス同様で、規模の大きなライブハウスやフェスにしか行ったことないっていう客にライブハウス文化に慣れてもらうことにもなると思うんです。最初は小さいハコに「うわあ…」って思うかもしれないけど、アーティストはもちろんのことライブハウス側も、それに慣れてるお客さんもみんなで新規のお客さんを出迎える。そうすることでライブハウスも、その文化も守られることになっていくと」

司会者「大変かもしれないけど、悪いことじゃない」

おとうと「しかもたとえばライブハウスの稼働率が上がるとするじゃないですか。営業日が増える。会場は使わなくても維持費が発生しますからね。使わないよりかは使ったほうがいい。それに稼働するとその周りの地域も潤うわけですよね。移動の電車やバス、タクシー。飲食店なんかは特に。その日ライブに来たお客さんが来ますから。だからそれを見ても悪い話じゃない」

司会者「むしろ、良い」

おとうと「Win-Win(カヨコ・アン・パタースン口調)ですよ」

司会者「あんたもシン・ゴジラにやられてるね(笑)」

おとうと「ライブハウスに限った話じゃなくてアリーナクラスでも同じ。しかもそっちのほうがお客さんの数は多いし、その分儲けが会場も周りの店、インフラも大きいものになる。人がどっと増えるのは大変かもしれないですけど、それを差し引いても、うまくやればいいことづくめだと思うんですよね」

司会者「なるほどね~」

おとうと「ライブハウス側はここでどうするかですよね。例えばライブハウスの稼働率を上げます、新規のお客さんにたくさん来てもらいますってなったときに、サービスの仕方をいままでと同じにしていいのかどうか。来客の対応やスタッフの雰囲気を良くしていけば『このライブハウスいいね』って思ってもらえるかもしれない。逆に今までと同じ対応なら良く思われないかもしれない。サービスの質を上げることも重要になると思う」

司会者「ふむふむ。お客さんに次も来てもらうためにはってことですね」

おとうと「あとこれはアリーナクラスの話になるかな。もしハコが取れなかったら野外ライブをやればいいんですよ」

司会者「簡単に言うねえ(笑)」

おとうと「いやいや、大変なのはわかった上で言ってる。野外ライブお金かかりますからね。大型のスタジアムライブだとセットに2~3億円、去年の長淵剛の富士山麗ライブは10億かかったなんて言われてますし。でも一回デカいのをガツンとやれば儲けになるはずですよ。長淵のはグッズ販売が好調だったみたいだし、そういうライブは映像化されますしね。回収の方法もある」

司会者「なるほど」

おとうと「ガチのファンなら場所がどこだって行くでしょうし。今年の冬に行われるAIRJAMも、会場は福岡ドームですけどチケットはほとんど完売で主催者側は追加席を考えてるって話みたいですから。」

司会者「キッズすごいなー(笑)」

おとうと「まあ野外ライブで出てくる問題としてはやっぱり近隣への影響とゴミ問題ですね。演奏中の音や訪れたお客さんの行動。ここもうまくやればプラスにつながるはずです。演奏の音は主催者側になんとか頑張ってもらうとして(笑)、ゴミ問題は例えば京都大作戦なんかはNOゴミ運動を推進して成功させてますし、それがSNSで拡散されればイメージアップになる。それを見た人が『ああ、○○の客ってすごくいい人たちだな』ってなって、アーティストやそこに参加してた人たちのイメージも良くなる。実際の会場でもお客さんの一人ひとりが節度のある行動を心掛ければ会場の近隣の人たちからも良く思われるだろうし」

司会者「アーティストの姿勢やファンの心構えが重要になってきますね」

おとうと「うん。一度成功させてしまえばまたその会場が使えますしね。…もし失敗したらイメージも悪くなる、会場も使えなくなるの二重苦が待ってますけど(笑)」

司会者「リスクはありますよね」

おとうと「はい。でもリターンは大きいですからね。それに勝算がある。僕がなんでここまで言うかっていうと、野外ライブに夏フェスのやり方が使えるからなんです。会場のセキリュティ、動線の作り方、周りの飯屋の手配、トイレの設置まで、すべて夏フェスのノウハウを活用できる」

司会者「なるほど!」

おとうと「いままでに全国でたくさん野外フェスが行われてきて、フジロックやサマソニ、ロッキンジャパンなど歴史のあるフェスがいくつもある。その『成功したやり方』を使えばいいだけ。アーティスト側がフジのSMASH、サマソニのクリエイティブマン、ロッキンのロッキンオンに教えを乞うような形で。そういった運営が『新しく野外ライブをやりたいんですよ』っていうところにコンサルティングに出たっていい。新たなビジネスですよ。警備会社も、昨今話題のBONZとか(笑)、信頼のおけるところたくさんありますから、野外ライブが増えれば全国に支部を置いたりして増員なんてことも視野に入る」

司会者「はあー、なるほど」

おとうと「セットを組み立てる会社も仕事増えるでしょ。いろんなところが潤うようになる。悪い話じゃないと思うんですけどね。あと、もし野外ライブをやるお金やライブハウスが無かったら、いまクラウドファンディングあるでしょ?あれを使えばいいという。音楽業界もいまではたくさんクラウドファンディングを有効な手段として使うケースが増えてきましたし。ファンも好きなアーティストのためならお金を投資してもいいと思ってる。もしやるとなったら、たぶん野外ライブのスタート資金とかライブハウスの設置とか、これまでで一番お金を集めるプロジェクトになるでしょうけど(笑)」

司会者「はあはあ。いやー、そこまでは考えてませんでした」

おとうと「ね、いい考えでしょ?(笑) リスクだなんだって、どんなことだってリスクは付くんだから、やってしまえばいいと思うんですよ。それにこうやってアリーナクラスのアーティストとその周りも、ライブハウスクラスのアーティストもその周りも、みんながそれぞれの場所で連携しあって頑張っていけば、業界全体が盛り上がっていくかもしれない。そうすればどんどん良い方に、新しい方向に意識も行動も向かっていくと思うんですよね」

司会者「なるほど。いやー、2016年問題に始まって最後は音楽業界のことになり、今回いい形に話が進んでいきましたね」

おとうと「三回目にしてやっと(笑) 内容も逆転の発想というか、前向きなものでしたしね、僕も気持ちよかったです(笑)」

司会者「ははは」

おとうと「日本人って問題をただ解決する、『対処』ていう方に持っていきがちですけど、うまくやってプラスに変えてしまった方がいいと思うんですよ。『失敗はチャンス』っていうアメリカの意識を見習って。転んでもただでは起きぬとね」

司会者「なるほど…それではそろそろまとめていただけますか」

おとうと「2016年問題は確かに真剣に考えなくてはいけない問題だけど、意識を変えてみんなで連携していけば、仕事も増えるし儲けが出るよと。会場が使えなくなりそう、でも悪い方ばかりに考えなくてもいいよ、と。みんなで問題意識も解決方法も共有して音楽業界を盛り上げていきましょう。こんなところですね」

司会者「ありがとうございます。では終わりになりますけど次の話題は?」

おとうと「いまのところないです」

司会者「あら、未定?(笑)」

おとうと「はい、まあこの記事の書き方自体もともとパクリですからね(笑) 何か思いついたらまた書いてみようと思います」

司会者「では対談のネタが出来たらそのときに更新をお願いします」

おとうと「本家がスルーする限りやりたいと思います」
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