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対談Vol.2 ~アイドル戦国時代について~

2016.05.22.Sun.23:57
司会者「お久しぶりです」

おとうと「お久しぶりです」

司会者「前回から結構間が空きましたね」

おとうと「いろいろあってね。そうこうしてるうちにやる気も出なくなっちゃって」

司会者「勘弁してくださいよ(笑) 今回は前回告知したアイドルのことについて伺いたいんですが」

おとうと「いきなりだなあ(笑) まあ急がんと最近聴いてる音楽の話でもしようよ。」

司会者「しょーがねーな。じゃ、最近注目してるのは?」

おとうと「Ykiki Beatっていう4年前くらいから活動してるバンドなんだけど曲を聴いたのはついこの間で。この曲も2年くらい前に出たやつ」



司会者「Ykiki っていうくらいでハワイアンというかサーフな印象ですね」

おとうと「そうそう。普通に海外でも通用するなと思ったら既に人気を得てたみたいで。いまヘビロテしてます」

司会者「これからアイドルの話をするのにアイドルじゃないじゃん」

おとうと「いやー現場から離れると現役のファンと話も合わなくなるし。しかも彼らの話を聞いてると羨ましくて仕方なくなるからより一層離れて行って… いやいや、ちゃんと聴いてるよ!(笑) つい最近はももクロの新譜が届いたばっかりで」
(※この記事は2016年2月下旬に書き始めたものを改めて書き直しています。ご了承ください)

司会者「2枚同時発売のアルバムですね」

おとうと「個人的には『AMARANTUS』は『勝手に君に』、『白金の夜明け』は『マホロバケーション』が好きかな」



おとうと「全体的に"Z"がついた頃のももクロ感がある。でもある程度ライト層に受け入れられることを考えて曲作りしてた時期を経てるから、『ライト層向けを意識したももクロの曲に数年前のももクロ感を持たせた』みたいな印象を受けた。可逆的な現象というか、これはこれで新しいし今のももクロの最新型がこれなんだろうなと」

司会者「お、てことは高評価?」

おとうと「いや、まだなんとも。一周しただけの率直な感想を述べただけで」

司会者「オリコンの週間アルバムランキングで初登場1位2位とってますね。ビルボードのHot Albumチャートでも2/24付で1位2位にランクイン」

オリコン週間 CDアルバムランキング 2016年02月15日~2016年02月21日


Billboard Japan Hot Album



おとうと「お~それはすごい」

司会者「ももクロの状況っていまどんな感じです?」

おとうと「去年は主演映画もあって三ヶ月連続で新曲リリースして、それが大きなトピックかな。コンサートのルーティーンは例年通りだけど、会場規模は数千~1万人単位でソールドアウト、最新アルバムもこの調子だから好調をキープしてるってところかと。女性蔑視とか紅白との決別とか話題にも事欠きませんでしたけどね(笑)」

司会者「相変わらず人気を保ってるんですね」

おとうと「うん。で、この一般層にも浸透した世界のももクロがアイドル戦国時代を語る上で無くてはならない存在なわけです」

司会者「ほ~」

おとうと「そろそろ本題ってことで、ここ数年続いたアイドルブームを、このももクロを軸として今回話していきたいと思います」

司会者「現代アイドル界の二大巨頭のAKBは?」

おとうと「AKBはアイドルブーム以前から活動してますし、なにより選挙投票券付きのCDを売るというやり方を開発してるでしょ?あれを行えるのはAKBでしかありえない。同じアイドルでも僕自身はまったく別の次元にいるものと思ってますね。どっちが高次元でどっちが低次元だとかそういう話ではなく」

司会者「戦国時代とは別の(笑) わかりました。ではよろしくお願いします」

おとうと「ももクロのアイドルブームにおけるなんたらってのは各音楽雑誌やカルチャー誌から個人ブログに至るまでいろんなところで語られてますけど、まあ一般的に言われてるのがZ以前、いわゆる『無印時代』ももいろクローバーのメジャーデビュー曲『行くぜっ!怪盗少女』でアイドル戦国時代の幕が開けた、と」

司会者「へ~。じゃここからももクロが爆発的な人気を得ることに」

おとうと「そもそも"Z"としてメンバー5人になる前から人気はあったんですよ。積極的にライブ活動を行ってK-1ハーフタイムショーにも出たりして。その時代の曲にはZ時代に繋がる曲の下地はすでに出来てたんですね。ただ起点となったのがあかりんの脱退で」

司会者「早見あかりちゃん」

おとうと「彼女がいなくなったことで『これからやっていくにはどうすればいいか』というテーマをはっきり直視することになった。いままでの路線を突き進んでより過激になっていったんです。ももクロの方向を位置づける大きなターニングポイントが言うなれば彼女の脱退ということになるんですね、結果として」

司会者「ほ~」

おとうと「んで、ももクロのストーリーがわかったところでドラマ性の話はこのへんで終わり。この『行くぜっ!怪盗少女』から爆発的人気を得ることとなったももクロの方向性とその活動、そして楽曲からアイドル業界に与えた影響という観点でアイドル戦国時代を時間の流れに沿って見ていきたいと思います」

司会者「お願いします」

おとうと「まずアイドルブームのきっかけですが、アカデミックな視点で見れば『怪盗少女がそのはじまりだった』ということであって、実際はももクロの活動のインパクトがその起こりなんです」

司会者「というのは?」

おとうと「ももクロは"Z"になって初めての大きなイベントが『ももいろクローバーZ 試練の七番勝負』というものでして、対戦相手というのがバラエティ、プロレス、アニソンと、いわゆる異種格闘技戦だったんですね。それだけでもインパクトじゅうぶんなんですが、そこで行ったアイドルらしからぬパフォーマンスも話題になって、まずそのイロモノ感が注目されたんです。そして七番勝負の最後の相手が『ロック』。リリー・フランキー主催の『ザンジバルナイト』の出演だったんです」

司会者「ほお~」

おとうと「このザンジバルナイトがきっかけでロックファンにも知られる存在になったんです。そこから全日本プロレス会場に10代半ばのアイドルが毒霧を吐いたとか、LOUD PARKに出演したりとか、アウェイでの参加がエスカレートしていったんですね」

司会者「は~、実際の映像とか見なくても話聞いてるだけでもすごいですね(笑)」

おとうと「方方で活動することでアイドルファンに見つかってそのほかのジャンルの人たちにも見つかって、どんどん客が増えていった。で、実際のライブに足を運べば1日で二時間の公演を三回、ほぼMCなしのノンストップで曲を披露したりして、しかも流れるのは『バトルアンドロマンス』に収録されている曲の数々。それがロックファンの心を鷲掴みにした。こうして噂が噂を呼び、評判をあつめてファンが増えていったんです」

司会者「はー、そうだったんですね」

おとうと「当時ロック界隈から流れてきたファンがライブ後に『ももクロはロック!』って汗だくになりながら笑顔で答えるインタビュー映像がテレビで流れたりしたんですよ」

司会者「ははは」

おとうと「自分もそのインタビューを見たり周りの音楽ファンがハマってるのを見てどれちょっと…と思って曲を聴いたら見事にハマったんですね(笑)」

司会者「時を同じくして(笑)」

おとうと「まんまと(笑) でね、ももクロがアイドル界隈に与えたインパクトはここなんです。いろんなジャンルと交錯することでいろんなジャンルからのファンを獲得するに至った。これがどういうことかというと、ももクロのファンが増えたということはアイドルのファンが純粋増になったということなんですね。ここにおいてアイドル界への他ジャンルからのファンの流入が起こったわけです、かつてない規模で。」

司会者「ふむふむ」

おとうと「界隈にファンが急激に増えていったという数の上での変化。そしてもうひとつの変化があって、アイドルを目にする人の心の内での変化。これがとても大きい。やっぱりアイドルの評価って音楽業界でも音楽ファンからも低く見られがちなんですよね。それがももクロと出会ったことによって一気にその評価が逆転した。『アイドルってこんなに面白かったのか』という。この衝撃がアイドル界のみならず音楽の垣根を飛び越えてほかのジャンルにまで飛び火するようになったきっかけになった。数的な上でも質的の上でも訪れた変化こそが、アイドル戦国時代の幕開け、黎明期だと、そう捉えています」

司会者「ふ~むなるほど」

おとうと「そして"ももクロショック"とも言うべきこの衝撃がそれまでのアイドル界にも影響を及ぼすわけです」

司会者「ももクロショック」

おとうと「ビッグウェーブをとりあえずそう呼んでおきます(笑) 『乗るしかないッ…』っというこの波がアイドルに目覚めた音楽ファンに訪れたものでありそして、アイドル業界にも訪れたものなんです。ここでアイドル業界に起きたビッグウェーブとはまさに『他ジャンルからのファンの流入』に他ならないんです」

司会者「そのアイドル業界に襲ったビッグウェーブっていうのは?」

おとうと「アイドルファンじゃない音楽好きからするとアイドル界ってまったく未知のものみたいなイメージがあるんですけど全くそんなことはない。他のアーティスト同様、『楽曲』と『ライブ』が活動の中心になっている。ショックが起きたのはまさにこの『楽曲』と『ライブ』の二つなんですね」

司会者「ふむ」

おとうと「まずファンの急激なファンの流入が起こったとして、あなたがアイドルの運営するプロデューサーだったらどんなことを考えます?」

司会者「え?ん~と、そりゃまあ人が増えて自分のところの客が増えるんじゃないか…増えたらいいな、みたいな…」

おとうと「そうそう、普通はそう考えるよね」

司会者「あ、違う?」

おとうと「まさにそういうことです

司会者「いいんじゃねーか(笑) 太字ウザいわ(笑)」

おとうと「こんなに人が増えてきてるんだから自分のところのファンが増えるかもしれない。来ないかもしれない。やらしい話、アイドルも人気商売だからなんとかして人を呼び込んで売上に繋げたい。じゃあ人を呼び込むにはどうすればいいかということなんですが…」

司会者「どういうことをすれば人気が出るかってことですよね」

おとうと「そういうことさ敏腕プロデューサー。人気を集めるためには客の興味関心を引く必要がある。じゃあ客の興味ってなんだ?ってことで市場調査が始まりますわな。急に増えてきた客は一体どういう層か?見てみるともともとアイドルファンではない他のジャンルの音楽ファンだという。そうすると…」

司会者「アイドルファンではなかった音楽ファンの興味を引けばいい」

おとうと「イ~~ェエ~~~」

司会者「だからウザいぞマーケッター(笑) まあ売る側になって考えればそうなるかね」

おとうと「人気を集めるために音楽ファンの目を引けばいい。調査結果は出た。方向性も見えた。じゃあ次にどう打って出ていくかという具体的な展開の話になるわけで。これから楽曲を、パフォーマンスをどうしていくか」

司会者「その、音楽ファンの心を掴むとしてどうなんですか?いきなり音楽性をガラッと変えれちゃうんものなんですか?もともとがアイドルだし、昔からのファンもいるわけでしょ?」

おとうと「パターンが二つあって。ひとつはアイドルブーム以前から楽曲に力を入れていたパターン、もうひとつがブームが始まった後に楽曲を変化させたパターンですね」

司会者「あ、変えちゃったんですね(笑)」

おとうと「うんまあ(笑) ブーム以前から楽曲重視、あるいはコンセプト立てていたのをいくつか挙げると、まあまず前回話のテーマにした東京女子流」



司会者「へえ~当初からAOR要素が入ってた?」

おとうと「PASSPO✩もブーム以前ですね。結成当初の名前は『ぱすぽ✩』で平仮名でした」



おとうと「そしてひめキュンフルーツ缶。愛媛・松山のライブハウス『サロンキティ』運営者の伊賀千晃さん発案の」



司会者「わ、ジャパハリネットのプロデューサーさんなんですね」

おとうと「あとアップアップガールズ(仮)もそうです」



司会者「こうして見てみるとどのグループも初期の曲はあんまり本格的にロック!って感じじゃないですね」

おとうと「始動し始めたばっかりでおそるおそるだったんじゃないかと」

司会者「手探りだったというか」

おとうと「女子流も本格的なAOR感を出しつつもアイドルソングでもいける感じ、PASSPO✩は事務所が音楽グループを手がけるのが初めて。アプガは『今までのハロプロとは違うことをやっていく』という方針だったみたいだし、ひめキュンはそもそもアイドルの勝手がわからなかった(笑) でもそれぞれ出自が違っても最初から明確な方向性を打ち出していたり、ロックをもともとの基盤としていたりして、そこがどのグループにも通づるところなんですよね。女子流以外の3グループは結果的にロック方向に進むのも同じ。そしてももクロのブレイクがその原因ではないというところが大きい」

司会者「ももクロの登場があって方向転換したわけじゃないよと」

おとうと「影響は少なからずあったとは思いますけど、これが決定打じゃない。いずれのグループも運営スタッフが『R&B方向で・ロック方向で人気が出てきたからそれを推し進めた』というような旨のことも言ってます」

司会者「なるほど」

おとうと「次にブーム発生以降にデビュー・または楽曲が変化したアイドル。ブーム以前から楽曲に力を入れていたアイドルは楽曲にジャンルの方向性が打ち出されてましたけど、このグループは方向性云々と言うより最初から製作者ありきの楽曲というのが曲作りのベースのひとつになっています」

司会者「ほう、ほう」

おとうと「まずももクロの妹分の私立恵比寿中学。デビュー時やインディーズの頃からクセのある曲を連発してて楽曲にこだわりがあったんですが、変化があったのはメジャーデビュー以後ですね。たむらぱんの『大人はわかってくれない』やレキシの池田貴史の『がんばってる途中』など、作詞作曲に知名度のあるミュージシャンを起用するようになりました」





司会者「見たら結成が2009年なんですか。結構早かったんですね」

おとうと「ミュージシャンの起用というと、でんぱ組.incなんかもそれに当てはまります。アキバ系アイドルとして萌え系・電波系ソングを歌っていましたが、オザケンの『強い気持ち・強い愛』のカヴァーで一瞬渋谷系に立ち寄って(笑)、それと同じ時期からWiennersの玉屋2060%や清竜人など本業とは別にアイドルソングも手がけるミュージシャンの楽曲提供も目立っています」





司会者「ビースティ・ボーイズのカヴァーとかかせきさいだぁ作詞もあるんですね(笑)すごいな」

おとうと「一番制作依頼に方向性がないのがでんぱかな(笑) そこが面白かったりするんですけど。渋谷系でいうと結成13年の長距離ランナーNegiccoもピチカート・ファイヴの小西康陽さんが提供した『アイドルばかり聴かないで』でそのタイトルと楽曲で話題になりましたね。その翌年にはオリジナル・ラブの田島貴男さんも楽曲提供してます」





司会者「アイばかは『まんまピチカートじゃん』みたいな反応だったらしいですね(笑) Negiccoも突然音楽性が変わったんですか?」

おとうと「いや、この以前にNONA REEVESの西寺郷太さんが手がけた曲もあるのでいきなりってわけじゃないですね。スペシャリストに依頼をする、という下地は出来てたと思います。あと有名どころというと、まあこれはブーム後にデビューしたアイドルなんですがベイビーレイズJAPANはHUSKING BEEの磯部正文、paletは小室哲哉がそれぞれ楽曲を提供してます」

司会者「いっそんと小室哲哉も!」



おとうと「小室さんは以前にも楽曲提供は多く行ってますけどね。ここ数年のアイドルブームでは初めてかな? paletのは伊秩弘将作詞です(笑)」

司会者「とんでもないタッグだ(笑) こんな凄い二人ならもっと話題になってもよかったような」

おとうと「こんな感じでただ『音楽の方向性を変える』という話というよりか、作詞・作曲家の持つネームバリューや音楽スタイルを売りにするという側面が強くなっているんですね。ブーム後に楽曲が変化したというのは、楽曲そのものだけでなくそれに付随するものを楽曲と同等かそれ以上に重視した結果と言えるわけです」

司会者「というと、これも音楽好きへ向けたファン獲得の方法だと?」

おとうと「そういうことです。音楽そのものを変える・良くするだけじゃなく、話題性を持たせることで自分のアイドルグループの格好のアピールとしたわけですね。ただこれも、『アイドルに楽曲を提供してみたい』という声が次々に出てきたという音楽業界内でのアイドルブームの影響があったからこそ成し得たことだと思います」

司会者「アイドル界隈から別のジャンルへ伝わった波はファンだけに留まらなかった」

おとうと「そうです。音楽業界…もっといって音楽以外のジャンルにも伝わっていったわけですが、ブームの他分野への越境が楽曲の依頼・提供がしやすくなった要因でもあったと」

司会者「なるほどねぇ」

おとうと「アイドルブームのアイドルソングへの影響は2012~2013年の春くらいまでかな?そのくらいの時期はこんなところ。自分の記憶と肌感覚ですが」

司会者「ももクロが2ndアルバムの『5th DIMENSION』を出したあたりくらい」

おとうと「そうですね」

おとうと「次にライブの話ですけど、ロックファンの流入によってももクロを筆頭としてアイドルのライブにもそれまで居なかったロックファンが現れるという状況が見られるようになります」

司会者「すごい変化ですよね。もともといたアイドルファンからすると溜まったもんじゃない(笑)」

おとうと「チケットも取りづらくなるし(笑) まさにそういう感じだったんですよね、そのときは。 他のフィールドに足を踏みこんできた僕らはその時そんなこと考えもしなかった。しかし僕のようにアイドルの現場に顔を出す人間がいる一方で、顔を出さない…現場に足を踏み入れない人たちもたくさん居たんです」

司会者「ライブに行くほど興味が無い、ライトなファン?」

おとうと「いや、そういう人もいると同時に、すごく興味があるのに行けない人も沢山居たんです。『アイドルのライブに行くのはちょっと…』っていう」

司会者「躊躇しちゃった」

おとうと「そうです(笑) 恥ずかしいのか、今までロックロックしてたのがいきなりアイドルに目覚めたということにプライドが許さなかったのか。でもここでどういうことが起きたか」

司会者「なんです?」

おとうと「アイドルが他ジャンルの音楽イベントに出演を果たすんです」

司会者「朗報だ(笑)」

おとうと「僕がその当時実際に行ったイベントにはでんぱ組.incとBiSが出てました。いくつかのライブハウスで合同で行うライブサーキットだったんですが、その時も入場列に並んでるとき後ろで『でんぱ組見るの?』『だって今見とかないと。アイドルのには行かねーじゃん?』って声が聞こえてきて。その時も『ああ、こういう人も多いんだな』って」

司会者「へ~。であんた見れたんです?」

おとうと「でんぱもBiSも見れなかった。 そういう奴らがどっと押し寄せたせいで(笑) でもこんなふうに出演が決まったのも、アイドルブームが来てロックのライブサーキットの主催者のアンテナにも引っかかるようになったからだと思うんですね。それが純粋な興味感心・本人の趣味なのか、ただのビジネスなのかは置いといて」

司会者「アイドル側からのアプローチもあったり?」

おとうと「あると思うんですよね。自分とこのライブに来てくれればいいけど、実際は一歩手前でまごまごしてるのも沢山いる。じゃあ自分たちからそっちに行っちゃえばいいんじゃないか?みたいな。実際に出演となれば『あのアイドルが〇〇に参戦!』となってそれだけでも話題になる。これも呼ぶ側と出る側、両者の思惑が一致したからこそ起こり得たことだと思います」

司会者「アイドルブームによる他ジャンルへの影響があってこその…」

おとうと「まさに。ジャンルの壁を越えたというのは一方的な流入ではなくクロスオーバー的な、よりフレキシブルなものだったと言えるんじゃないかと。これが2013年の春頃。そしてこの夏、ついにROCK IN JAPANにアイドルが参入することになったわけです」

司会者「うわ~ホントについにだ」

おとうと「ちなみにこの年の出演はBiS、でんぱ、LinQ、アプガ、9nine、そしてベビメタ」

司会者「結構いるじゃないですか(笑)」

おとうと「ほんと!改めて見てみたら結構!(笑) ステージもウイングテントで出演時間も短いとはいえ」

司会者「当時の盛り上がりってどんなんでした?」

おとうと「いや、『ついにやったぜ!』みたいな感じでしたよ、出演のアイドルもファンも。でも既存のアイドルファンは別にって感じだったかな(笑) まあビジネスであるかどうかは別として、このことがよりアイドルがいま音楽界においてブームを巻き起こしているということを位置づけた決定打であったことは間違いいないですね」

司会者「ふ~む」

おとうと「そして今度はイベントやフェスにとどまらず、遂には『対バン』という流れになっていくわけです」

司会者「ロックバンドとアイドルが。まさにクロスオーバーって感じですね」

おとうと「異種格闘技戦ですよね。モハメド・アリとアントニオ猪木然り。そんな異種格闘技と銘打った対バンイベントも開催されまして。例として2014年2月に渋谷クアトロで開催された『QUATTRO MIRAGE vs @JAM』っていうイベントなんですけど」

QUATTRO MIRAGE vs @JAM Vol.1

司会「わ、すごい。赤い公園vsアップアップガールズ(仮)、cinema staff vs BiS、忘れらんねえよvsひめキュンフルーツ缶…」

おとうと「髭対BELLING少女ハート、アルカラ対ベイビーレイズ、グッドモーニングアメリカ対でんぱ組.incとね。まさにその当時の『今だからこれをやったらヤバい!』って感じの」

司会「"今ネタ"って感じですねえ」

おとうと「このイベントも含む2013年夏以降からアイドル戦国時代の第二期に入ります。『ロックフェスにアイドルが登場する』くらいまでがアイドル戦国時代の黎明期に続いての第一期で」

司会「というと、また新たな段階に入った」

おとうと「はい。音楽ジャンルの壁が崩れたことで、実際に流入してきた人の数もそれにかかわる人の意識も変わってきたのが第一期。第二期はそこから今紹介したようなイベントが出てきたり、各地のロックフェスにアイドルが参戦することが常態化していきます」

司会「ビジネスとして見込みがあることがわかったというか、もう現状に見て見ぬ振りはできないというか」

おとうと「それにもう一つ大きなトピックがありまして、この"音楽ファンを取り込むことを前提として結成されたアイドル"が誕生して活動を開始するようになります」

司会「えっと、それはつまりアイドルと他音楽ジャンルのクロスオーバーありきのアイドル、ということですか?」

おとうと「はい、その通りです。そういったグループはたくさんありまして、それぞれ結成時期が多少前後して異なるんですが…」

司会「前後してるというのは…」

おとうと「ああ、まさに2013年ごろに結成されたものもあれば、結成は割と早い時期なんだけど活動が活発になるのが遅かったりとか。あとはグループの発起人やプロデューサーの気づきが早かったり遅かったり。"これはアイドルグループとしていけるんじゃないか!?"という気づきが」

司会「ほうほう、なるほど」

おとうと「順番に紹介していきますと、まずゆるめるモ!。これはニューウェーブ・アイドルですね」



司会「プロデューサーさんはももクロの『ピンキージョーンズ』に触発されてアイドルの結成を思いついたと(笑)」

おとうと「はい(笑) なので結成は2012年ごろで初ライブは翌年2013年となってます。サウンドはニューウェーブを基調としてるんですが、それに囚われないいろんな人とコラボしてます。ヒカシュー、非常階段、坂田明、ギターウルフ…。POLYSICSは楽曲提供をしてます」

司会「すごい面々ですね(笑)」

おとうと「次におやすみホログラム。ジャンル的にはオルタナティブロックになりますかね」



司会「結成して数か月でオリジナルメンバー3人が脱退…」

おとうと「まあ音楽以外にいろいろありまして(笑)結構BiSっぽいところがありますね。知ってます?バスツアーの話」

おやすみホログラムと行く2016スキースノボツアー#おやホロバス のまとめ。 - NAVER まとめ

司会「あー知ってます!このアイドルだったんですか、これ!」

おとうと「まあこんな感じで(笑)、音楽面をロックやメタル方面に寄せていったというものではなく、最初からあるジャンルを彷彿とさせるサウンドをコンセプトにしたり、今までにない方面のジャンルに手を伸ばしたりと、そういうグループも出てきたと。」

司会者「なるほど」

おとうと「そのほかでいうと、つりビット。これも2013年結成ですが」

司会者「"釣りに打ち込むことを誓った少女たちで構成されるアイドルユニット"…?」



おとうと「はい、曲はいわゆるアイドルソングを基調としてるんですが、そのコンセプトが『釣り』なんです。『釣り』と『ビット』で、さらに『釣り人」で『つりビット』」

司会者「コンセプトがもう音楽の一ジャンルじゃないじゃないですか(笑)」

おとうと「一応、山下達郎の『踊ろよ、フィッシュ』をカバーしてるんですけどね、釣りだけに(笑) あと、先にも出ましたベイビーレイズ。実はこのグループ、『乗っ取りアイドル』を標榜してるんですね。レイズ(raids)“奇襲” “強襲”って意味で。」

司会者「乗っ取り?」

おとうと「ほかのアイドルイベントに乗り込んでファンの獲得を狙うというプロモーションなんです。それを『乗っ取り』と言って」

司会者「え、え、過激ですね。いいんですかそれ?」

おとうと「いや、主催者もファンもそれをわかって楽しんでる感じですよ(笑) 本当に非人道的ではないです」

司会者「ああ、良かった(笑)」

おとうと「(笑)まあそういう感じで、"音楽ジャンル以外のコンセプトを掲げたアイドル"も出てきたわけなんです」

司会者「こういうコンセプトがあってもいいだろうと」

おとうと「そうです。ある特定の音楽ジャンルに特化してそのファンがついてくるんなら、音楽じゃないジャンルでもそれに特化すればそのファンがついてくるだろうと。それをやっちゃって、実際にファンがついてきてる」

司会者「ついてきたんですね(笑)」

おとうと「あとは"すでにこういうやり方でファンがつくなら、それを継承したグループを作ってもいけるだろう"というのもあって。まずは妄想キャリブレーション。でんぱ組.incと同じディアステージの所属で、彼女たちの妹分にあたりますね」



司会者「これはでんぱ組.incとおなじ系統のグループ…?」

おとうと「まあ、そうですね。曲、ルックスとでんぱ組のそれをならった感じですね。今のでんぱよりも"アキバ系"感はのこってるかと。それとBiSの後継とされるBiSH」

司会者「これもBiSと同じような…?」

おとうと「はい。BiSの楽曲のほとんどを手掛けていた 松隈ケンタ氏がここでも作曲行っています。曲調もBiSのサウンドを踏襲している印象です」



司会者「はー。でもこれってパクリにならないんですか?そういう評価をされたりとか」

おとうと「妄想キャリブレーションはでんぱと同じ事務所で、もふくちゃんがでんぱと同じくプロデュースをしてます。BiSHもBiSのマネージャーだった渡辺淳之介氏が手掛けてるんで、ほんとに"妹分""後継"という感じですね。まったく別の事務所やプロデューサーが手掛けたらパクリになるでしょうけど。あと、"二番煎じ"と言われるでしょうけど、そこは問題ではない」

司会者「問題ではない?」

おとうと「ここでいうと、妄想キャリブレーションはすでにメジャーな存在になり手の届かなくなったでんぱの受け皿の役割を担っているんですね。まだこれから発展途上な彼女たちをより近くのステージで見ることができる。BiSHは、もうすでに解散して追うことができなくなった"BiS"に代わる存在なんですね。ここでもやはり受け皿になっている」

司会者「ほおお…。妹分とか受け皿とか、おおよそロックバンドにはない概念ですね。あってもフォロイー・フォロワーとか、さもなくばパクリですもんね。そこでファンがつくことはない」

おとうと「そこでいうと、ももクロの所属するスターダストも同じなんですよ。妹分のエビ中やチームしゃちほこがその役目を負っている。ももクロももう相当手の届かないところにいってますから。しかもスタダの場合大きい事務所ですから全国各所にアイドルグループを作ってますしね」

司会者「ももクロの妹分が全国に」





おとうと「チケットの入手率とか住んでる地域とかでなかなかももクロのライブに行けない人の受け皿になってる。ここが大きいですね。ファンはスターダストから離れられない。特にももクロはもともとアイドルファンじゃなかった層を多く取り込んでますから、そういうファンは"スタダしか観ない"っていう人も多いですから」

司会者「俺…スタダしか知らない!」

おとうと「まさに(笑) ちなみにこのころのももクロは西武ドームや日産スタジアムでライブをやったり紅白にも出場を果たしています」

司会者「すごい、ひとりだけ群を抜いてる(笑)」

おとうと「まあこうしてロックバンドとの対バンや人気アーティストの楽曲提供など、その展開の仕方はそのままに、ジャンルを超えたクロスオーバーが起きている状況とすでに活況となったアイドル界隈を、それぞれがそれぞれのやりかたでこの波に乗っていったわけです」

司会者「なるほど~。これが第二期…」

おとうと「実は流れがもう一つありまして。まず東京パフォーマンスドール、通称TPDの復活ですね」



司会者「えっTPDって復活してたんですか?」

おとうと「はい。2014年に第二期として新たにスタートしまして。プロデューサーも"ガールズユニットの進化形"を標榜してて気合が入った感じでデビューしましたね。もうひとつはアイドルネッサンス。これはSMA… ソニー・ミュージックアーティスツが立ち上げたアイドルグループ」

司会者「エイベックスだったりスターダストだったり、ここでもアイドルをやったことのない事務所が手掛けたんですね」

おとうと「このアイドルネッサンスの大きな特徴は『SMAが過去に所属したアーティストの楽曲のカバーを歌う』ことなんですね」

司会者「?それなら今までのアイドルも普通にやってますよね、カバーなら」

おとうと「アイドルネッサンスがほかと違うところは、この過去の名曲を自分たちの持ち歌としてるところなんです。一曲や二曲じゃなく、ほとんどすべて。グループのテーマを『名曲ルネッサンス』をテーマにしてるくらいなんです」





司会者「うわーほんとだ。初めてのカバーが村下孝蔵の初恋ってところがまた渋いですね(笑) …これって版権的なもので問題になったりとか、ファンはついたりしてるんですか?」

おとうと「版権的なものはSMAがしっかり管理してるんで問題ないですね。カバー曲を使われた大江千里が、リリースの時に『僕の妹分』とまで言ってますし。ファンもしっかりついてますね。ここも何も問題ないです」

司会者「なんかもう凄いですね(笑)…たかがアイドル、なんていうふうに言えないですね」

おとうと「そう。もうそこまで来てるんですよ。いままでインディーズの零細からアイドルをプロデュースしたことのない大手まで、群雄割拠の状態だったんです」

司会者「まさに戦国時代」

おとうと「そこにね、昔のトップアイドルグループの復活を持ち出してきた。これは昔のアイドルファンが大人になって、たくさんお金を落としてくれるようになったこと(笑) 一方で、過去の名曲を生んだアーティストをたくさん輩出してきた事務所が総出でアイドル業界に乗り込んできた。ここが1~2年前から起こってきた流れなんですよ」

司会者「ほう」

おとうと「もういろんなグループが数年のうちに生まれては消え、その中の一握りが残るようになっていったり、あるいはその遺伝子を受け継いだリ拡散したりして続いてきた。ここで「アイドルのやり方がわかってきた」わけですね。このやり方と、ある程度見えてきた市場をもとに、一番あとに大きな資本がやってきたわけです。これが何を意味するか?」

司会者「戦国時代は第三期に入った?」

おとうと「いくつかのアイドルグループが生き残った中で、だれが一番成功したかって、それはももクロですよね。戦国時代の幕を開けた張本人が"天下"を取った。これはもう間違いない」

司会者「まあ、誰の目から見てもそれは納得するところでしょうね」

おとうと「ただこれも結果論で、ももクロ本人たちは別にアイドル戦国時代を作ろうと思ったわけでもなく、その中で天下を取ってやろうと思っていたのではないでしょうけどね。いずれにせよいま言った通り、天下はもう取ってしまったんです。社会の歴史でいうと戦国時代の後って江戸時代なわけですよね。つまり…」

司会者「…戦国時代はもう終わった?」

おとうと「そこが正しいと思います。もうももクロの世間での認知度、ネームバリューを見てもひとり勝ちしたことは疑いない。その結果、もうすでに彼女たちはアイドルではなくなってしまったかもしれませんが。そしてもう一つ、群雄割拠した界隈に大手事務所が本気になって乗り込んできた。持っているバックボーンが一流のメジャーが入ってきた点。これからはより音楽的に優れた、ビジネス的にもより戦略的な活動をするグループが活躍していくとになっていく可能性がある。ある意味で市場が"洗練"されてきたのかもしれない」

司会者「ふむふむ」

おとうと「「天下泰平」になったかはわかりませんが、もう殺伐としたガチャガチャとした時代ではなくなった。それは事実かと。エビ中の真山がブラウザゲーの『戦国 IXA』とコラボったときに「アイドル戦国時代を終わらせましょう」と言ってたんだけど、「もう終わってるよ」と(笑)」

司会者「と、いうことはもうインディーズからいままでのようなアイドルは生まれてこない…?」

おとうと「いや、それはないと思います。現にいまでもインディーズからたくさんのアイドルグループが生まれてますよ。それはこれからも続いていくと思います。たとえメジャーが業界を席巻していこうがなにしようが」

司会者「もしかすると、ここ数年の熱気や混とんとした中にある楽しさとか、そういうのが無くなったのかもしれないですね」

おとうと「鋭い(笑) そうかもしれない。その「熱気が冷めてきた理由はとして一つ挙げられるのが、やり方がわかってきたって言いましたよね?やり方がわかってきたというのはマンネリ化してきたということでもあると思うんですね」

司会者「新鮮味が無くなっていった」

おとうと「はい。最初は「アイドルとバンドが対バン!」「アイドルにあの人が楽曲提供!すげえ!」という感じだったんですけど、それが余りにも当たり前になってくるともう驚かなくなる。話題性を持たなくなる。これは互いに交わることがなかった全日本プロレスと新日本プロレスが初めて交流戦をした時と同じですね。その時は「遂に壁が崩れた!」って感じで凄い盛り上がりだったけど、それが続いていって常態化すると他団体との交流戦といっても特に盛り上がらなくなって」

司会者「またわかる人にしかわからないような例えを(笑)」

おとうと「やり方も分かってきた、市場も見えてきた、誰が天下を取ったかわかってしまった。売り方も新鮮味が薄れてきた。でも、じゃあこれでアイドル業界が終わったわけではなくて、これからも存続しいていく。市場も、アイドルもファンもしっかり存在している。ただブームが過ぎ去ったというだけでね」

司会者「アイドルもアイドル文化も無くならない」

おとうと「ですね。実際にファンも、ブームに乗っかってた人が居なくなっただけで、ガチのファンやそれ以前からアイドルのファンだった人たちは居るし、ブームが過ぎたあとにアイドルにハマった人たちもいますから。その人たちにとってはブームがあったこと・過ぎたことなんて関係ないしね。 今回アイドル戦国時代をぐるっと見てきましたけど、これからどうなっていくのかはわかりませんけど、アイドル文化は無くならない、そのことだけは確かだと、そう思っています。」

司会者「我々はその後の世界に生きている…」

おとうと「そう言うと格好いいな、小説やSF映画の一節みたい(笑)」

司会者「ではそろそろまとめていただけますか」

おとうと「アイドル戦国時代はとっくに終わってる。以上です」

司会者「短い(笑) では終わりになりますけど次の話題は?」

おとうと「そうですね。ミュージシャンやアイドルのコンサート会場となるホール、ライブハウスなどのいわゆる"箱"問題。これについて話ができればと思っています」

司会者「できるだけ早めの更新をお願いします」

おとうと「本家にバレない限りやりたいと思います」
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