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「PORT ENTOROPY」/トクマルシューゴ

2010.04.25.Sun.22:43
ポート・エントロピーポート・エントロピー
(2010/04/21)
トクマルシューゴ

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これは「快作」「怪作」どうのといったアルバムじゃない。
明らかにトクマルシューゴの次の実験・興味がそのまま
注がれたような着実に前に一歩進んだ作品、
「PORT ENTOROPY」はそうなっている。

聴いた瞬間「ん?」と思った。
予想とはまるで違ったアプローチだったからだ。

ヴォーカルが幾分前に出ている。
明らかにギターの旋律に重きが行っている。
そしてギターのその質感によって紡ぎ出される曲の数々。
いや、聴くと明らかにトクマルシューゴの音楽であることには
変わりないんだけど、そのアプローチに虚を突かれたというか。

てっきり一つ前に発表した「Rum Hee」の流れを路襲するもんだと思ってた。
鳴り響くあのノイジーすれすれの楽器によらないアンサンブルと
ざらついた感じ。どこかハラハラさせられるような曲群。

しかし予想は覆された。
だがなんだ、聴いていくとこれがとても心地よく
このアレンジがとても清清しさを醸し出しているように思っちゃうから
不思議だ。がっかりするような気持ちに全くならない。

このアルバムを聴いた後「Rum Hee」を聴いてみたらたった一年前の
発表の作品なのにま~古いこと古いこと。
や、何も前作がク○だったとかでは無くて前作も素晴らしいんだけど
冒頭でも記したように前に進んでいるのだ。
このアルバムから初めてトクマルシューゴを聴いた人も、
前作にも収録されているアルバムタイトル曲「Rum Hee」を聴いてみたら
きっと違和感を感じるはずだ。この曲だけなんか違うと。

なんでこんなに「違う感覚」を受けんのかしらと考えてみたりした。
まずなんと言ってもギターの鳴り。始めにも言ったけどギターの比重が
それまでの作品より上がっているのが大きい。
今から数週間前に放送したNHK「TR」に出演した際、
「ギターは始め弾いたときからこれは絶対自分のものにできる」的な事を
言ってたんだけどまるでその自身が現われているかのようだ。
今まで何十種類もの音をオーバーダビングして『曲』を創ってきたわけだが
ダビングの対象がギターひとつににとって変わったといっていい。
バンドではなく一人で実験を重ねたのかな、と妄想してしまうところだ。

あとはそれに今まで培ってきたやり方を自分の中である程度方法論化
することが出来てきたのかも知れない。それまでのアレンジに鳴り止まない
ギターの旋律がそれを物語る。

BPMも新鮮だ。前々作「EXIT」ではゆったりとした感じ。「Rum Hee」では
性急さが感じられたが今回はその真ん中を行くような感じ。

また、曲から曲への流れが今作は実にスムーズだった。「EXIT」では個々に
聴かせる感じだったのが「Rum Hee」「PORT ENTOROPY」と続けるうちに
徐々に流れは滞らなくなっていった。
「洗練された」と言って申し分ないと思う。

これらの点がこうやってはっきりと垣間見えるのがとても良い。
ミュージシャンなら「次をどうするか」といった問題にぶち当たって
発表されたものが「うむ?」と思うような作品が出来たりするものだが、
今作に至ってはそれが無い。いや、簡単に言ってしまったがそういった
苦しみをミュージシャンは常に抱えて活動を続けているに違いないし
生みの辛さは相当なものだろう。
その苦しみ・辛さを越えて(或いは差し置いて)こんなアルバムを作った
事には畏れ入るしだからこそ賞賛したい。間違いなく「良作」である
(トクマルシューゴも実は悩んでるのかも知れないけど)。

てなわけで、「PORT ENTOROPY」買ってよかった(笑)。何気ない
日々のBGMでも車に乗っているときにかけてもじっくり聴き込んでも
しっかり楽しめる作品だと思います。

興味のある方は是非、もっと興味のある方は日本でも注目され出した
前々作と、それに続く前作も聴いてみると面白いと思います。

でわ


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