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『中人』 -私立恵比寿中学 を聴いてみた

2013.07.25.Thu.23:53
中人中人
(2013/07/24)
私立恵比寿中学

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CDを一周聴いてみて、うわーこれはやられた、悔しいな、と思ってしまった。
今の今までライトなファンでいた自分がガチのファンになってしまいそうな勢い。
正直そういう心況。

言いたいことは山ほどあって、
いちおう曲順に話していくつもりだけど
あっちこっち話が飛んだり曲順が前後するかもしれないのでご容赦。

『Chuning!!』から「いよいよニューアルバムの幕開け」を感じ
(全曲聴くとまさにめまぐるしく回る物語を、学芸会で"観て"いるような感じだった)、
『仮契約のシンデレラ(long ver.)』へ。
いままでのライブでイントロ部分が長めに設定されることがあり(尺を取るためや、出だしの台詞をトチるなど)
聴いているとそのときの情景を思い出さずにはいられない。
聴くと新たに声を撮り直したのがわかる。

からの『梅』。
シングルでは仮契約同様、コンセプトをしっかりさせて作った曲だが、
お馴染みの定番な2曲が続くとこれまたライブを髣髴とさせる。

ここからアルバム曲。『あたしきっと無限ルーパー』。
一聴したときはももクロの「5TH DIMENSION」の『Neo STARGATE』とか『BIRTH O BIRTH』だな~と。
今のももクロに歌わせても遜色ないと思う。
業界の流行り?それとも作曲者のセンス…好みかな。
「5TH DIMENSION」収録曲は佳曲ばかりなのでもしかすると何らかの影響があるかもしれない。

一転『R-O-B-O-C-K』では英詩に日本語をローマ字変換した詩を織り交ぜた
古いSF映画を思わせるようなステレオタイプのロボットを模した曲。
この曲を提供したU-re:xって誰やねん!と思わずググッてしまいそうになるチョイスに
5曲目にして早速オタク心が震える。
調べてみるとエビ中と同じソニーミュージック傘下に所属するミュージシャンらしく
海外でも活躍中だとか。
ちょっと待て、それは「禁断のカルマ(サブカルVer.)」で楽曲提供したニューウエーブバンド、
『POLYSICS』のときと同じ仕事の持ちかけ方じゃねぇか!
(POLYSICSもソニー傘下のレーベル所属)
※補足資料: POLYSICS、私立恵比寿中学へ楽曲提供のながれ

歌詞を見てみると「do mo a ri ga to」という一節がある。
これ、この歌詞と共に曲調を聴いてみるに
アメリカのプログレバンド、スティクス(Styx) の『ミスター・ロボット (Mr. Roboto) 』という曲に
「ドモ アリガト、ミスター・ロボット(dōmo arigatō misutā Robotto)」という歌詞があり、
それが元ネタであることが分かる。
おい、それ、先述のPOLYSICSにもその曲のオマージュ曲『ドモアリガトミスターロボット』(そのまんま)
があるぞ!
どう見てもPOLYが『Another Day』を提供したときからの流れじゃねぇか!どうなってんだ!

Mr. Roboto -Styx


ドモアリガトミスターロボット -POLYSICS


まさかこんなところでスタッフの趣味が爆発したものを見せつけられるとは…
しかもこの後はYMOのカバー『体操』が待ってるぜ。

再びInterlude(合間という意味!)に入り『高校廃止法案』。
「永遠の中学生」を標榜するエビ中の校則(?)から来たネタ。
それぞれ本人にもファンにもしっかり根付いてきたキャラクター、
ライブではお馴染みになりつつある安本彩花のソロステージ、
それにこのグループ特有のグダグダも相まっていろいろ最高!
もうこれ学芸会ていうか放課後の教室の一番後ろでやるおふざけ遊びのレベルでいい。
とりあえず脱力されて笑っとけ。

効果はあったかはわからないが、そこから一転流れを変える形で『放課後ゲタ箱ロッケンロールMX』
さらに転調して『大人はわかってくれない』。
どんどんと気を引き締めるかのように気持ちが「音楽」の方向に持っていかれる。

ここで来たYMOの『体操』。
元々の曲が良いからなんの疑いもなく「良いね~」と思ってしまうわけだが…。
元曲の雰囲気を残しつつエビ中のキャラをさりげに入れていく形。
単語を一個一個言いまわす無機質を感じさせる歌詞も、エビ中に合ってると思うし
英語の文章の言い方のぎこちなさとハモらなさもなんともエビ中ぽい。
こういうカバーやアレンジもエビ中ならば「っぽいね~」と思わせてしまうあたり
このグループの方向性やイメージが確固たるものになっているのを感じる。

また引き締めるかのように、ふわふわとした不思議な感じを醸し出した『体操』のあとに
『禁断のカルマ』。
ていうか初めて歌詞カード見て歌詞を確認しました俺氏。
すごくいいね、歌詞。
最初聴いたときは「曲、少し長いかな」と思ったけど(爆)

『誘惑したいや』。最初の「ゆわくわくわく わくわくわくわー」でもうやられる。
曲のイントロとサビのストリングスが60年代後半のサイケに傾倒してたころのビートルズっぽいのに
ベースはディスコのそれを持ってきてたりしてより軽快でふわふわとした印象を与える。
この辺は田村歩美(たむらぱん)のセンスと才能だろう。恐るべし。
シングルカットにしてもいいくらいの出来栄えである。

『チューニング真っ最中』にて三たび~Interlude
『高校廃止法案』と企画の出所は同じだったのだろうが、
「中人」というワードからアイデアを得ており先の『高校~』とはコンセプトが異なる。
いい対比である。こっちのほうがInterludeっぽい(?)気がする。
これでInterludeは最後だが、笑いのセンスとか芸風が「レキシ」とか「グループ魂」っぽいな~と思ってしまった。。
ちなみにグループ魂はソニー傘下のレーベル、キューン(ki/oon)に所属している…
やめろ!またへんな勘繰りをおじさんしちゃうでしょうが!!

『いい湯かな?』
タイトルから想像したイメージと全く違った曲の内容であったことを
ヘッドホンを通して聴いたときの驚きといったら!
ここにきてまさかの泣きの一曲である。
ユニコーンの「雪が降る街」を思い浮かべた。
永遠の中学生である彼女たちが歌うことを前提にした歌詞もばっちりフィット。
あ、タイトルはおっさんの共通知識だったのね…

そして『手をつなごう』へと続く。
もう畳みかけだよ畳みかけ。
もしこれがライブなら号泣しながらの振りとコールになるだろう。

これで終わってもいいくらいのにまだ終わらない終わらせない『中人DANCE MUSIC』
聞いた瞬間「米米clubだわ~」。
米米でやっていいよ・あれ、こんな曲あったっけって思うことうけあい。
曲がまったくのファンクになってて石井竜也万歳状態である。
ダンス・ナンバーでありながら歌詞は真面目でひたむきさを感じるものになっており、
「DANCE "MUSIC"」というタイトルが言い得て妙。

『頑張ってる途中』
ラストを飾るにぴったりの一曲だ。
あぁ、これでほんとにほんとに最後かと思ったら『あるあるフラダンス』。
あるあるネタにのせた歌詞に無理やり"ール"で終わる単語を引っ張ってきたりさ、
"あるフラダンス"って語呂悪くね?
ていうかその前にタイトルと曲の元ネタだよ。
牧紳二の「やんなっちゃった」のオマージュというか着想というか、
ネタ元がタイムリーすぎる!…とは言えないくらいタイムリーじゃなかったりでなんなのよもう!
最後の最後で悶えるトラックを見事に投入されてしまったのである…
"アルバム"のラストとしては『頑張ってる途中』がふさわしかったのであろう、
しかし"エビ中"としてはこの曲がラストにふさわしかったのだ。

以上がアルバム全曲の流れである。
初回盤のAにはDVDが、Bにはエビ中曲をRemixしたのCDが付いている。
あ、別に曲の紹介前後してなかった。

お分かりのようにめまぐるしく回るように曲が展開され、
それが見事にまとまっている。
これらのインパクト大の楽曲群が、だ。
曲の出来もさることながら曲順の配置も絶妙、GJである。

ところどころ、サブカルクソ野郎の心の琴線に触れまくるのも全く以ていやらしい。
お堅いオタク人間も見事にホイホイされてしまうであろうのがけしからん。
実際にネバネバの床に貼り付けられてしまったゴキブリがここに一匹←…
(か、勘違いするな!ドルオタがゴキブリってことじゃない!やめろ怒るな!)

もともとスターダスト芸能三部のいちばん偉い人が苦笑いするほどの歌唱力と表現力だった
彼女らの能力で以てして生まれたのが「King of 学芸会」。
それをいかにして自分たちの売りに、味にしていくかという試行錯誤であったものが、
ライブを重ね、徐々にその「売り」を浸透させていき、
グループの「味」になったことがこのアルバムによってはっきりと明らかにされた。
このアルバムはひとつの「証し」みたいなものだ。
また、それぞれのメンバーの成長もみてとることもできる。
今や完成された「味」からどう楽曲を作っていくかにまでなっている。
彼女たちの未熟さをカバーする苦肉の策であった手法が、逆に彼女達らしさを形作り、
成長した彼女たちからどう作品を作っていくか、どういうライブにしていくかまでになった。
今から考えると、これ以前のインタビューで「King of 学芸会」を卒業するというコメントは前フリだったのか?
と、そう思ってしまうのだ。

「中人」はそれそのものが楽曲やアルバムの作品としての素晴らしさだけでなく
エビ中としての今までの歩みの総決算であり、
新たなステップを垣間見ることの出来る作品でもあった。
古くからのファンも新規のファンも、音楽好き、サブカルクソ野郎にいたるまで
角度によって違う見え方を持ち、あらゆるアプローチから聴けるという傑作だったのである。

P.S
縦に入るスリーブケースは相変わらずだが
ついている帯がCDケース内に入らない大きさになっている。
CDを中古屋に売る時、帯付きだと高く売れるのだが、
これはもしや売らせないための策では!?
などと考えたり…
(永遠にこんなことばっかり)
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