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対談Vol.3 ~コンサートホール問題~

2016.09.03.Sat.22:40
司会者「お久しぶりです」

おとうと「お久しぶりです」

司会者「またちょっとあいだ空きましたね」

おとうと「前回ほどじゃないでしょ」

司会者「季節変わっちゃいましたよ」

おとうと「変わっ…ちゃいましたねぇ…あいだ空きましたね」

司会者「認めたw」

おとうと「いやーことしもたくさん夏フェスが行われましたねえ」

司会者「おっ自分から急に来たw そーですよ夏フェスですよ」

おとうと「もう9月に入って…7月8月の2ヶ月たくさんありましたね。頭の京都大作戦からDEAD POP、なつびらきフェス、フジロックと」

司会者「8月もロッキン、サマソニ、ライジング…まさにフェスの季節、真っ盛りって感じでしたね」

おとうと「ほんとに全国津々浦々、いろんなところでやってますよねぇ。え、こんなとこでやるの?みたいなのもあって。会場に関してここ最近で自分が気になったのが、フェスじゃないんですけど、One Ok Rockですね」

司会者「ワンオク。最近だと海外ツアー決まってますよね。日本でやるんですか?」

おとうと「ええ、9月に2DAYSありまして。んで、そこの会場が静岡の渚園なんですけど」

司会者「えっと……どこですか?(笑)」

おとうと「ほんとにね(笑) 思わずGoogleMapで調べちゃったりして」

司会者「つま恋でもなく」

おとうと「浜松の浜名湖にあるスポーツ施設のあるキャンプ場みたいなんですね。なんでまたそんなとこだよっていう」

司会者「ファンもびっくりでしょうね(笑)」

おとうと「さっきのつま恋が有名ですけど、なんらかの事情か何かでそこにしたんでしょうね。今年は、彼らの所属するアミューズのフェスも無かったですし」

司会者「何かつま恋は営業終了みたいですよ。ついこないだのニュースで出てましたね 」

おとうと「あら!そうなの!そのせいか!(笑) まあそれはそれとして、最近そんなとこでやるの?とかなんでその会場?みたいな場所でのフェスやコンサート多いなって思いません?」

司会者「それはちょっと思いますね」

おとうと「でしょ?もう一個例を挙げておくと、Perfumeですね。今年ニューアルバムを出してちょうど4~7月にツアーがありまして、会場が幕張3DAYSあったんですけど、関東はそこだけ、東京は無し。西日本は関西は大阪兵庫が無しで和歌山。一番西の会場が徳島っていう。」

司会者「え、広島とか九州無かったんですか。東京も。せっかくのリリースツアーなのに」

おとうと「一応追加公演で、ドームで名古屋、大阪、福岡は決まったんですけどね。でもやっぱり東京は無かったという」

司会者「はー…。それは…会場が押えられなかったとか?」

おとうと「そんな風にファンの間では言われてたんですよ。結局そういうことじゃね?っていう感じで」

司会者「やっぱ、そうなんですかねぇ」

おとうと「そう。このコンサートの場所が辺ぴなとこ、全国各地を満遍なく回れないっていうのは、会場が取れないっていうのが原因なんじゃないかと。で、それは以前から言われている各種ホール、競技場の耐用年数の問題に関わってるんじゃないのかなっていうのが今回話そうと思ってることなんですけど」

司会者「お、三回目にして今までで一番スムーズな流れの導入なんじゃないですか?やったじゃないですか」

おとうと「いや~がんばりました。そいで、この会場がない・取れないのいわゆる”2016年問題”を絡ませた"箱"問題をテーマに話していきたいと思います」

司会者「は~いよろしくお願いします~」

おとうと「とりあえず、おさらいからしておきますか。2016問題とはなんぞやと」

司会者「はい、導入部分を」

おとうと「2016問題っていうと漠然とし過ぎなんですけど、正確には『劇場・ホール2016年問題』と言いまして。劇場やホールがこの2016年に何が問題かっていうと、ミュージシャンや劇団、その他イベント興業が会場を使えなくなるというんですね。なぜ使えなくなるか、2020年に開催される東京オリンピックのためにに首都圏のホールや大型施設の改修や建て替えを行うから、というわけなんです」

司会者「はい」

おとうと「2016年1月に東京国際フォーラムのフォーラムAと横浜アリーナ、2016年2月にさいたまスーパーアリーナと、大型施設がが相次いで改修工事に入ったんで、それが発端となってってことですね。それでこの問題提起として去年の秋にサカナクションの山口一郎や能楽師の野村萬らが合同で会見を行ったのが大きなトピックになりまして」

司会者「話題になりましたね」

おとうと「で、この会見のメディアの記事読んだら、『僕ら会場使えなくなるんですけど』って訴えてるだけじゃないの?と思ったんですが、もっと読んでみたら『国や関係各省庁に改修時期の調整をお願いしたい』っていうのと『エンタメ企業と意見交換を交わしたい』ていうことだったみたいですね」

司会者「はいはい。2016年問題というのは会場がすぐに使えなくなりますという話じゃなくて、実演者側が危機意識を持ってますよっていう外へのアピールと、ちゃんと調整お願いしますねっていうことを申し上げたいと」

おとうと「まとめてくれてありがとう(笑) 『問題』って言っちゃうからややこしくなるんだけどね。いま直近で深刻な問題にはなってないけど、いずれ困ることになりますよ、と。これが『2016年問題』」

司会者「はい。でもここで『東京オリンピックのため』って言ってますけど、以前から改修されてましたよね?それこそ解体された国立競技場とか」

おとうと「そうそう。国立競技場もそうですし、その横にあった日本青年館もおなじく解体されました。2015年の4月でしたか」

司会者「ビジュアル系バンドの聖地と呼ばれた」

おとうと「『8時だョ!全員集合』でも使われてたみたいですけどね。あとは渋谷公会堂ですね。ここも2015年8月に閉館して解体と建て替え作業。そのほか2010年に東京厚生年金会館、2013年に横浜BLITZ、2014年にSHIBUYA-AX、2015年に青山劇場とゆうぽうとホールが閉館と。」

司会者「続々と、って感じですね」

おとうと「はい。で、この2016年問題。『首都圏の』ってなってますけど、会場が改修なり解体なりで使えないのは東京とその周りだけ?っていうのが疑問になるところなんですが」

司会者「え、首都圏だけじゃない?」

おとうと「地方はけっこう大丈夫でした」

司会者「なんだ、思わせぶりなことを(笑)」

おとうと「東京の渋公とか日本青年館みたいにガタが来てるってことで閉館したホールとか、あるいはこれから改修・新築しようかっていう話が出ているところもいくつかあるんです。その多くは60~70年代に建てられたものばかりで。その一方で、ここ20年の間に新しく建てられたホールも多いんですね。この数年の間に改修工事が終わってリニューアルオープンした会場もあるみたいです」

司会者「はー。じゃ、地方だと『2016年問題』提起側の要望でもある『改修時期の調整』が出来てるわけですね」

おとうと「あっちがダメでもこっちがあるよと(笑) 偶然なのか、連携が取れてるのかわからないですけど。それぞれ、まあうまいこと工事の時期がズレて困ったことにはなってない現状みたいですね」

司会者「たぶん前者でしょう(笑) そうするとやっぱり首都圏の問題ってことですかね」

おとうと「そうなりますね…2016年問題の会見で山口一郎が言ってましたけど、首都圏はアーティストの稼ぎ場で、そこで得たお金でもって地方公演が回せると。すると収入に直結する首都圏のライブが滞れば自分たちにもお客さんにも影響が来ますよと。」

司会者「なるほど。でも、ですよ。ホールも都内ではまだ建ってから新しいところやその数も多いし、アリーナレベルの施設も軒並み改修工事は終わってる。だったら2016年問題はもうそんなに大きな問題じゃないんじゃないんですか?」

おとうと「いや、施設の耐用年数をクリアしてるってだけなんですよそれは」

司会者「? どういうことです?」

おとうと「確かに2016年問題は施設のガタからから浮かび上がった問題なんですけど、いまってCDの売り上げが減ってるじゃないですか。代わりにライブでの売り上げが伸びてる。そうするとこれからライブ主体で動いていくアーティストがどんどん増えていきますよね。そうなったときにやっぱりライブ会場の使用がかち合っちゃうと思うんですね」

司会者「はあ。まあ確かに」

おとうと「ホールやアリーナの数はもう決まってる。でもライブの数は増やしたい。そうなると『ライブの数を増やしたい』ってなってもできない」

司会者「それって、まあ例えば1万人の会場が使えなければ5000人の会場を2日間で。5000人の会場が使えなければ2000人の会場を3日間でっていう、そういう風にすればいいんじゃないんですか?」

おとうと「理屈はそれでいけるんですけど、現実にはというと疑問ですね。アーティストやプロモーター側も『この会場でデカい仕掛けを使ってライブをやりたい!』とか、ライブに対する自分たちのビジョンや狙いがあるじゃないですか。そこで小さい会場となるとデカい仕掛けは使えないですよね。会場によっては火器の使用が制限されてたりもするし。それと、メジャーのアーティストのライブは大体が全席指定でしょ。例えば1000~2000人規模の会場でも、ライブハウスみたいにオールスタンディングだと来場するお客さんも躊躇しちゃうと思うんですよね」

司会者「あ、なるほど。それはある」

おとうと「ワンマンならまだいいですけど、ツーマンとか複数参加するイベントだと、音楽が激しめのバンドだとモッシュに巻き込まれちゃいますもんね(笑)」

司会者「フェスで時々見るやつだ(笑)」

おとうと「ほかにもドームやスタジアムを使うにしても、プロ野球を中心としてスポーツの試合日程と調整をしなくちゃならない。だからいま現在改修してるコンサート会場ないですよっていっても、昨今の音楽市場の状況やトレンドから、今後は『ライブをする会場は足りなくなる』のでは?と見てますね」

司会者「う~んなるほどね」

おとうと「で、ここまでが売れてるアーティストの話題ね。こっからはそれ以外のアーティストの話」

司会者「おっとぉ」

おとうと「大手に属して、アリーナレベルのハコでライブをする人ばかりがアーティストじゃないからね(笑) たとえば、会場が大きくてもワンマンではZeppクラスまでとかの人たち」

司会者「いわゆるロキノン系のアーティスト」

おとうと「あとはAKB、ももクロ以外のアイドルとか。これまで千数百人以上のホールとかアリーナ、ドームっていう話をしてましたけど、Zepp以下、1000人に満たないライブハウスにおける2016年問題もあるだろうと」

司会者「サカナの山口さんも言ってた『アリーナの会場のしわ寄せが来て、玉突き現象で最後にはライブハウスにも影響するかもしれない』っていうやつ?」

おとうと「や、それはさっきも言いましたけど、指定席でライブを楽しんでた人がスタンディングのライブに来るかって話で。あったとしても数は少ないと思いますね。でも、そのライブハウスでも『会場が使えない』問題は出てくると考えてます」

司会者「?玉突き以外にライブハウスが使えなくなる理由がある?」

おとうと「アリーナは結局、そのクラスのアーティスト同士の会場の取り合いじゃないですか。ロキノン系やアイドルも、同じ集客力のアーティスト同士で会場の取り合いをするってことです。ライブハウスにおける2016年問題は、言ってみればアリーナの縮小盤ですね」

司会者「はー、会場の規模が大きいか小さいかってだけで」

おとうと「発生する問題は何も変わらない。同じなんです。サカナ山口氏の指摘がほんのちょっとズレてるだけで、実際のその問題は起こり得る可能性がある」

司会者「なるほど。じゃあZeppクラスの人が箱を押えられないから、1000人規模のを2日間。1000人クラスの人が箱を押えられないから500人規模のを2日間て感じで…」

おとうと「最終的には100人規模でライブやってた人はハウスパーティーに」

司会者「なるか(笑) しかしまあ末端にまでしわ寄せが来るってことはあり得るかもですね」

おとうと「はい。そんでね、アリーナクラスのアーティストにしてもライブハウスのアーティストにしても、2016年問題の元をたどると『ライブの需要が伸びてる』ことに起因するわけですよね。CDの売り上げはここ10数年右肩下がりで落ちてる。逆にライブでの売り上げは右肩上がりで伸びてる。そうすると自然と『ライブの規模を大きくする・本数を増やして収入を得る』って考えになりますわね」

司会者「普通に考えたらね。売り上げの低迷してる、市場規模が縮小してるところに時間とお金かけたところで」

おとうと「採算が見合わない。つまり2016年問題は、CDやレコードの売り上げが持たなくなって噴出する問題なわけです。これまでに発生なかったことが今まさに起きようとしている」

司会者「ふーむ、致し方ないとうかなんというか」

おとうと「これは本当はもっと早く起こってたことだと思うんです。結局いまの音楽業界がいつまでもCDの売り上げに頼ろうとしてて、ズルズルズルズルいって2016年の今になってこういう問題が懸念されるようになったと。そこにたまたま会場施設の耐用年数の話が被ったってだけで」

司会者「遅かれ早かれ会場の取り合いが切迫してたと」

おとうと「はい。2016年問題を改めて整理し直してみたわけですけど、とりあえず今の現状と予測されるものはそんな感じですかね」

司会者「なるほど…あの、問題提起は実演者側からあったわけですが、具体的な対策って何かないものなんですかね」

おとうと「具体的になんもないっすよねえ。少なくとも何も聞こえてこない。問題提起の会見は結構大々的に報道されましたけど」

司会者「音楽業界とそれに関わるところはちゃんと問題として受け止めて動いているのか、それとも動いてないのか何も考えてないのか…」

おとうと「それでね、まあ業界側は何やってるかわかんないですけど、ちょっと自分なりに、この状況を打破する方法を考えまして」

司会者「おっ、マジですか?」

おとうと「ええ、まあ、いち個人の意見ですけど、一応ちゃんと大真面目に考えたつもりなんで、そのつもりで聞いてもらえれば」

司会者「はいはい、お願いします」

おとうと「これまでと同様にアリーナとライブハウスを使うアーティストに分けて話をしますか。まずアリーナレベルそれ以上の会場を使うアーティストから。これはやっぱり『うちは豪華なセットを使いたい』っていう考えを変えるところからかなと。もちろん先に説明したように色々な事情があって大きい会場を使いたいということなんでしょうが、まずそれを改める」

司会者「いきなり、結構むずかしいところから来ましたね(笑)」

おとうと「意識改革ってねえ(笑) 自分で言っといてなんだけど。ライブの本数を少なくするってことは、会場の手配やブッキング、それにセットや移動費をかけないってことなんで、もちろんなるべく少ないほうがいいのは確かなんですけど。でも現状そうは言ってられないじゃないですか」

司会者「まあそうですね」

おとうと「でもいま、自分が考えるより規模の小さな会場でライブをやっておけば後々につながると思うんですね。アリーナクラスのアーティストが今までより小規模のライブを行うとどうなるか。今みんなが渋ってるところに早めに乗り出せば、その分野では先駆になれる。成功すればノウハウもほかより一歩先んじることになる。これは新たなビジネスチャンスだと思うべきですね」

司会者「ふむ」

おとうと「そうすると、ホールやZeppクラスのハコを使うことになるんですが、ここもお客さんに理解を示してもらうと。ホールはまあいいとして、ライブハウスはスタンディングですから、もしライブをやるとなったらお客さんにそれに慣れてもらう。これはただの一回じゃなくて、何回かライブやらないといけなくなるでしょうが。もし不安なら、ライブハウスに座席を並べてしまえばいい」

司会者「投資が必要ですね」

おとうと「そうですね。ある程度そういうのを見越してやる。実例で言うと、最近はミスチルがZeppでライブやったじゃないですか。」

司会者「あれは話題にもなりましたよね!」

おとうと「90年代からのファンはとりあえず置いといて、若い20代以下のファンならフェス慣れしてるし、スタンディングは抵抗がないでしょう。それにミスチルレベルなら、2000人それ以下の規模のハコでやるっていったらチケットも超が付くほどのプレミアものじゃないですか。もう都内じゃなくて地方でもやるべきですよね。名阪あたりでも十分でしょ」

司会者「ホールでの全国ツアーをやるみたいですね」

おとうと「ほらほら、その気じゃん(笑) ミスチルはいまそういう方向にシフトしてるってことだよね。超売れてるアーティストが地方で2000人規模のハコを回る。その先端に彼らは立っているわけだ。アリーナクラスでライブをやるアーティストのいいケーススタディになるかもしれない」

司会者「なるほど。もっと考えを変えて、実践していけよと」

おとうと「はい、『今の状況をうまくプラスに変えろ』と。次にライブハウスでの活動を主体とするアーティストですが。ここでも結局はアリーナクラスを使うアーティストと構造は一緒ですね。Zeppクラスのは1000人以下、1000人以下のは500人のハコでと。でもアリーナと違うのは、このクラスのアーティストは比較的小さい箱でライブをやることにあまり抵抗がないことですね」

司会者「あんまり小さいと『売れてなかった時期を思い出す!』ってなりそう(笑)」

おとうと「トラウマがフラッシュバックして(笑) まあそれもあるとして(笑)でもアリーナクラスの人たちよりかは…」

司会者「抵抗ない、でしょうね」

おとうと「ね。逆に『小さいハコでやりたい!』って言い出す人もいるくらいだし。でね、まあやるはいいとして、あとはライブハウスとのブッキングになるんですけど、ここがミソになるかと。」

司会者「数が足りなくなる、取れなくなる」

おとうと「それもありますけど、もう一つはライブハウス側が使用許可するかどうかだと思うんです。古くからあるライブハウスは、オーナーさんや店長さんがこだわりを持っている人が多いでしょ?ライブハウスの敷居とかもあるし。『ウチではこういうアーティストは出しません』とか。そのハコに愛着のあるお客さんも居ますよね。『ここに○○みたいなアーティストは来て欲しくない』みたいな」

司会者「はあはあ。インディーマニアの人とか」

おとうと「でも、ここはチャンスだと思うんです。ライブハウスだって慈善事業じゃなんだから、お客さんにお金を払ってもらって運営ができる。お金が入ること自体は決して悪くない。もちろん僕もそういったライブハウスの文化は好きですし残していきたいと思ってる。でもガチガチに固められたプライドで貧乏になるよりかはよっぽどマシだと思うんです。変に意固地になって、いま目の前にあるチャンスを逃すのはもったいない」

司会者「うん、うん」

おとうと「頑固な態度をとるところがある一方で迎合するところも出てくるでしょうけどね。人気のないアーティスト、アイドル、なんでも来いよ!っていう(笑) それとこれもアリーナクラス同様で、規模の大きなライブハウスやフェスにしか行ったことないっていう客にライブハウス文化に慣れてもらうことにもなると思うんです。最初は小さいハコに「うわあ…」って思うかもしれないけど、アーティストはもちろんのことライブハウス側も、それに慣れてるお客さんもみんなで新規のお客さんを出迎える。そうすることでライブハウスも、その文化も守られることになっていくと」

司会者「大変かもしれないけど、悪いことじゃない」

おとうと「しかもたとえばライブハウスの稼働率が上がるとするじゃないですか。営業日が増える。会場は使わなくても維持費が発生しますからね。使わないよりかは使ったほうがいい。それに稼働するとその周りの地域も潤うわけですよね。移動の電車やバス、タクシー。飲食店なんかは特に。その日ライブに来たお客さんが来ますから。だからそれを見ても悪い話じゃない」

司会者「むしろ、良い」

おとうと「Win-Win(カヨコ・アン・パタースン口調)ですよ」

司会者「あんたもシン・ゴジラにやられてるね(笑)」

おとうと「ライブハウスに限った話じゃなくてアリーナクラスでも同じ。しかもそっちのほうがお客さんの数は多いし、その分儲けが会場も周りの店、インフラも大きいものになる。人がどっと増えるのは大変かもしれないですけど、それを差し引いても、うまくやればいいことづくめだと思うんですよね」

司会者「なるほどね~」

おとうと「ライブハウス側はここでどうするかですよね。例えばライブハウスの稼働率を上げます、新規のお客さんにたくさん来てもらいますってなったときに、サービスの仕方をいままでと同じにしていいのかどうか。来客の対応やスタッフの雰囲気を良くしていけば『このライブハウスいいね』って思ってもらえるかもしれない。逆に今までと同じ対応なら良く思われないかもしれない。サービスの質を上げることも重要になると思う」

司会者「ふむふむ。お客さんに次も来てもらうためにはってことですね」

おとうと「あとこれはアリーナクラスの話になるかな。もしハコが取れなかったら野外ライブをやればいいんですよ」

司会者「簡単に言うねえ(笑)」

おとうと「いやいや、大変なのはわかった上で言ってる。野外ライブお金かかりますからね。大型のスタジアムライブだとセットに2~3億円、去年の長淵剛の富士山麗ライブは10億かかったなんて言われてますし。でも一回デカいのをガツンとやれば儲けになるはずですよ。長淵のはグッズ販売が好調だったみたいだし、そういうライブは映像化されますしね。回収の方法もある」

司会者「なるほど」

おとうと「ガチのファンなら場所がどこだって行くでしょうし。今年の冬に行われるAIRJAMも、会場は福岡ドームですけどチケットはほとんど完売で主催者側は追加席を考えてるって話みたいですから。」

司会者「キッズすごいなー(笑)」

おとうと「まあ野外ライブで出てくる問題としてはやっぱり近隣への影響とゴミ問題ですね。演奏中の音や訪れたお客さんの行動。ここもうまくやればプラスにつながるはずです。演奏の音は主催者側になんとか頑張ってもらうとして(笑)、ゴミ問題は例えば京都大作戦なんかはNOゴミ運動を推進して成功させてますし、それがSNSで拡散されればイメージアップになる。それを見た人が『ああ、○○の客ってすごくいい人たちだな』ってなって、アーティストやそこに参加してた人たちのイメージも良くなる。実際の会場でもお客さんの一人ひとりが節度のある行動を心掛ければ会場の近隣の人たちからも良く思われるだろうし」

司会者「アーティストの姿勢やファンの心構えが重要になってきますね」

おとうと「うん。一度成功させてしまえばまたその会場が使えますしね。…もし失敗したらイメージも悪くなる、会場も使えなくなるの二重苦が待ってますけど(笑)」

司会者「リスクはありますよね」

おとうと「はい。でもリターンは大きいですからね。それに勝算がある。僕がなんでここまで言うかっていうと、野外ライブに夏フェスのやり方が使えるからなんです。会場のセキリュティ、動線の作り方、周りの飯屋の手配、トイレの設置まで、すべて夏フェスのノウハウを活用できる」

司会者「なるほど!」

おとうと「いままでに全国でたくさん野外フェスが行われてきて、フジロックやサマソニ、ロッキンジャパンなど歴史のあるフェスがいくつもある。その『成功したやり方』を使えばいいだけ。アーティスト側がフジのSMASH、サマソニのクリエイティブマン、ロッキンのロッキンオンに教えを乞うような形で。そういった運営が『新しく野外ライブをやりたいんですよ』っていうところにコンサルティングに出たっていい。新たなビジネスですよ。警備会社も、昨今話題のBONZとか(笑)、信頼のおけるところたくさんありますから、野外ライブが増えれば全国に支部を置いたりして増員なんてことも視野に入る」

司会者「はあー、なるほど」

おとうと「セットを組み立てる会社も仕事増えるでしょ。いろんなところが潤うようになる。悪い話じゃないと思うんですけどね。あと、もし野外ライブをやるお金やライブハウスが無かったら、いまクラウドファンディングあるでしょ?あれを使えばいいという。音楽業界もいまではたくさんクラウドファンディングを有効な手段として使うケースが増えてきましたし。ファンも好きなアーティストのためならお金を投資してもいいと思ってる。もしやるとなったら、たぶん野外ライブのスタート資金とかライブハウスの設置とか、これまでで一番お金を集めるプロジェクトになるでしょうけど(笑)」

司会者「はあはあ。いやー、そこまでは考えてませんでした」

おとうと「ね、いい考えでしょ?(笑) リスクだなんだって、どんなことだってリスクは付くんだから、やってしまえばいいと思うんですよ。それにこうやってアリーナクラスのアーティストとその周りも、ライブハウスクラスのアーティストもその周りも、みんながそれぞれの場所で連携しあって頑張っていけば、業界全体が盛り上がっていくかもしれない。そうすればどんどん良い方に、新しい方向に意識も行動も向かっていくと思うんですよね」

司会者「なるほど。いやー、2016年問題に始まって最後は音楽業界のことになり、今回いい形に話が進んでいきましたね」

おとうと「三回目にしてやっと(笑) 内容も逆転の発想というか、前向きなものでしたしね、僕も気持ちよかったです(笑)」

司会者「ははは」

おとうと「日本人って問題をただ解決する、『対処』ていう方に持っていきがちですけど、うまくやってプラスに変えてしまった方がいいと思うんですよ。『失敗はチャンス』っていうアメリカの意識を見習って。転んでもただでは起きぬとね」

司会者「なるほど…それではそろそろまとめていただけますか」

おとうと「2016年問題は確かに真剣に考えなくてはいけない問題だけど、意識を変えてみんなで連携していけば、仕事も増えるし儲けが出るよと。会場が使えなくなりそう、でも悪い方ばかりに考えなくてもいいよ、と。みんなで問題意識も解決方法も共有して音楽業界を盛り上げていきましょう。こんなところですね」

司会者「ありがとうございます。では終わりになりますけど次の話題は?」

おとうと「いまのところないです」

司会者「あら、未定?(笑)」

おとうと「はい、まあこの記事の書き方自体もともとパクリですからね(笑) 何か思いついたらまた書いてみようと思います」

司会者「では対談のネタが出来たらそのときに更新をお願いします」

おとうと「本家がスルーする限りやりたいと思います」
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TOO YOUNG TO DIE 的な何か

2016.07.12.Tue.21:00
注 映画の内容については何一つ書いていません。映画本編も見ていません。



去る6月25日、映画『TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ』が全国映画館にて公開された。

tooyounhtodie!

映画『TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ』公式ホームページ



17歳でこの世を去った大助が、大好きなクラスメイトにキスしたい一心で、赤鬼と一緒に地獄からの生還を目指して大奮闘するという、宮藤監督らしいバカバカしくも清々しいストーリー。



主演・長瀬智也(TOKIO)、神木隆之介、脚本監督・宮藤官九郎と話題を振り撒いたこの一作。
私はもろもろの関係でまだ観てないし、これから観るのかもわからんのですが。
タイトルになっている「TOO YOUNG TO DIE」というのはわかる人が見れば一発でわかる。
アメリカのロックバンド・イーグルスの『James Dean』という曲の一節から取っている。

Too fast to live,too young to die, bye bye
あんたは早く生まれすぎた、若すぎる死だ、バイバイ





もともとはイーグルスの24歳の若さでこの世を去った米俳優ジェームズ・ディ―ンを歌った曲の歌詞の一部だったのが、
言葉が独り歩きしてジェームズ・ディ―ンを指して表す言葉になり、
その後も音楽業界はじめとした各分野で「Too fast to live,too young to die」のフレーズが用いられるようになった。
パンクロッカー・パンクキッズにはおなじみのファッションブランド「ヴィヴィアン」の前身も
「Too fast to live,too young to die」という名前だった。
日本ではなぜか[Too fast to die」と略された形でこの言葉が流布されてたりする。

で、このフレーズもGLAYの『1988』という曲の歌詞に使われてたり
気志團の2004年発売の3rdアルバムのタイトルになってたりする。
もちろんどちらもこの言葉の由来を知らなかった筈はない。
だがやはり自分にとっては彼らの作品の発表以前にリリースされた曲、
↑THE HIGH-LOWS↓の甲本ヒロト作詩作曲『Too Late to die』なんである。



そうだオレは ブリキのコインだ
レートのない ブリキのコインだ
Too Late To Die ペテン師の
Too Late To Die 遺伝子を
Too Late To Die バラまく
Too Late To Die


イーグルスの『James Dean』も曲中で「Too fast to live,too young to die, bye bye」をリフレインしているのだが、
『Too Late to die』もタイトルでもある「Too Late To Die」を何度も繰り返して歌っている。
この曲もイーグルスを元ネタにしているのがわかる。

ロックンロールと言えば、その昔から若さとともにあった。
ローリングストーンズのオリジナルメンバーであるブライアン・ジョーンズは27歳でこの世を去った。
その後も、ジャニス・ジョプリン、ジミ・ヘンドリックス、ニルヴァーナのカート・コバーンも若くして死んだ。
みんな27歳の呪いだ。
英ロックバンド、ザ・フ―の代名詞的楽曲「My Generation」では「Hope I die before I get old」
「年取る前に死にたいぜ」と歌っている。
若さとはロックンロールとともにあり、若さはロックンロールの象徴であった。

降りるはずの 駅はうしろ
泊まるべき 港をはなれてく


だがこの曲の発表時、甲本ヒロト40歳。
歴史に名を遺した偉大なロック・ヒーローたちは若くして亡くなったのに、
自分はいまだ、40になってもなおロックンロールを続けている。
あそこで降りる筈だったのに、駅も港も今はもう遥か後ろ。
伝説になることが出来なかった。
死ぬにはもう遅すぎた。
「Too Late To Die」である。

まことにもって かたじけない
拙者まるで だらしがない
Too Late To Die まわる
Too Late To Die 何時間も
Too Late To Die エンドロール
Too Late To Die


かつて「THE BLUE HEARTS」のフロントマンとしてカリスマ的存在だった男は
実は強い意志もプライドもないだらしのないグータラ野郎。
同じところをぐるぐる回り続けながらロックを飯のタネに生きている。
自分はそういう人間だとここで言い放つ。
期待に応えられず、すいませんでしたと。

もう自分は本物のロックスターではない。
若くして死ねなかったのだから。
そう、自分はペテン師なのだ。
偽物のロックスターとして、今もこうして偽物の遺伝子をバラまき続けている。
「もうヒーローなんて請け負わないよーん」という宣言を、ここでしてしまったのだ。

それが自分。甲本ヒロトという男。
『Too Late To Die』とは、かつて自分が憧れたロックスターにその身をあやかりながら、
自身を皮肉って描いた曲だった。
そしてそれは、いつまでもロック界の羨望の的として崇め続ける
周りの人間と評価に対しての皮肉でもあった。








参考資料
http://moonlightshadow110.blog.fc2.com/blog-entry-1038.html
https://lyrics.red-goose.com/james-dean-the-eagles/
http://j-lyric.net/artist/a00f6d1/l00197f.html
http://www.viviennewestwood-tokyo.com/info/CSfViewGuide.jsp?tp=13

テイラー・スウィフト 「1989」 を聴いてみた

2016.06.18.Sat.12:46







ハリス、そのうちきっといいことあるやで。

聴いてたときにたまたまこのニュース流れてきて
ときどきお騒がセレブな彼女がタイムリーに面目を躍如してしまいました。

これ2014年のアルバムなんですけどね。
たまたまレンタル屋に行ったときにやっと7泊8日貸出になってたので
「そーいや借りようと思って借りてなかった」と思って借りてみました。

聴いていくうちに思い浮かんだのが「アメリカのコード進行は単調」という言葉
というのもちょくちょくマーティ・フリードマンのインタビュー記事を読んでいたからだ。
彼がBABYMETALについて話す際によく持ち出す語り口「アメリカの音楽は単純なコードを繰り返すパターンが多い」

BABYMETALの革新性と全音楽に与える影響

J-Popは“魔法”をかける 
J-Popは、アメリカの音楽より複雑にできている。それなのに、メロディーは分かりやすい。アメリカの音楽は単純なコードを何度でも繰り返すけど、例えば、いきものがかりの歌を例にとれば、とても“サビ”が長い。18コードは入っている。でも複雑に聞こえない。僕にはそれがツボだった。



このテイラー・スウィフト「1989」はあたまの「Welcome to New York」から終わりの「Clean」に至るまで
ほとんどすべての曲のコードがずっと同じ調子なのだ。
まさにマーティの言う「アメリカの音楽は単純なコードを何度でも繰り返す」を象徴するアルバムと言っていいつくりになっている。

しかし単調だからといってだらだらとした調子かと言えば、つまらない曲になっているかと言えば
全くそうではない。
生まれも育ちも日本の純日本人だからそう聴こえるのか、
アングロサクソンからすれば「テイラーの曲なんてあきあきだ!」という人も沢山いるのかもしれない。
少なくとも自分の耳には、このアルバムから聴こえる音楽はどのナンバーも素晴らしい曲で、
全体から伝わる印象はポップアルバムの傑作、である。

普通なら単調コードの繰り返しなんて駄作になってしまうところだが全くそうは感じさせない。
逆にキャッチ―な言葉、フレーズのリフレイン、声の抑揚、コーラスの選択とタイミング…
ありとあらゆるところにあますことなく技術が施されていて聴く人を楽しませ、飽きさせない。
まさに極上であり、普遍のポップとなっている。

きちんとターゲット層を絞って曲を作っている、という雰囲気がほのかに漂っているのも特徴。
ビジネス的な匂いがすると嫌悪感を抱く人も多いだろうが、
その匂いを感じさせてもそれすらを覆いつくし気にならないほどに楽曲のクオリティを高めてしまうことには、
テイラー自身と彼女に関わる音楽制作スタッフそして
アメリカの持つ音楽的な土壌と底力に圧倒されるばかりだ。

テイラー・スウィフト恐るべし。
恋人を簡単に乗り換える変わり身の早さも恐るべし。




Perfume 6th Tour 2016 「COSMIC EXPLORER」@アスティとくしま DAY2 を観てきた

2016.06.11.Sat.23:13
観てきました。
ワタクシ初徳島でしたの。
MONSTER baSH行ったな~とか思いながら高松を通過して徳島駅へ到着。
到着即拉麺。
食了即移動。
駅前の臨時シャトルバスに乗り込む。
15分ほどで会場となるアスティとくしまに着いてすぐに着替える。
到着即物販。
物販即終了。
入場そして会場内へ。

事前に調べてはいたが、ちょっと変わった構造のホール。
ていうか外観からしてちょっと変わってた。

さて自分にとって半年以上ぶりのPerfumeのライブ、
新アルバムを迎えてのリリースツアー。
一体どんな感じになるのだろう。

※※以下はネタバレを含みます。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~






















とにかくセットがデカい。
いや今ツアーで最小規模のホールのせいか。
会場の半分をセットで埋め尽くすかのようだ。
メインとなるステージがセンターステージでの両脇から花道が伸びてその先にサブステージがある。
花道の長さとサブステージはそれぞれ長さ、大きさに違いがある。
一方のサブステージには背後に大型ビジョンが設置されている。

時間が来て暗転すると、メインステージの柱(と思われていたもの)が
昆虫の足のようにゆっくりと上に開いていく。
「お、お、お、お」
あれがあると見づらいな…と思っていたがその懸念が取り払われる。
ちょっとした爽快感。

相変わらずステージ正面とは縁の無い座席に当たる俺ちゃん。

いきなり「STORY」から始まってここ一番の人気曲となった「FLASH」で会場のボルテージを一気に上げる。

数曲、きっちりこなしてMCとチーム分けを行い、
自分も無事「し」チームに配属されると次に続いたのはなんとメドレーである。
「うちら(活動が)長いけぇたくさんやりたい曲がある!」
「でも3時間も4時間も見てられんじゃろ?」
「だからメドレーを作ってきました」
と言って披露。
割合的にここ最近の曲で固められた感じだった。
最初に「メドレーをやる」と宣言したのは良かったと思う。

おそらく今までのPerfumeのライブで一番凝ったのではないかというギミックが、
アルバムタイトル曲である「Cosmic Explorer」を演ったときに現れる。
流れる映像はスターウォーズかはたまたスタートレックか、といった具合の気合の入れ込みようだ。
今回のステージは「Cosmic Explorer」を体現するために作られたといっていい。
そのために配置、セッティングされたセットだったのだ。
なぜこんなつくりにしたのかというのがこれでわかる。

それを終えると次はなんと「3,5,6,9」の再来となるすごろくである。
今回はステージ上の3人がそれぞれ一回ずつ十面体サイコロを振って3曲を決めることに。
この日は「FAKE IT」「エレクトロ・ワールド」「チョコレイト・ディスコ」の鉄板ナンバーばかりだった。
ちなみに昨日は3曲連続で「Spring of Life」という呪いにかかったそうで、
自分のようなすれっからしのファンからすると逆にそっちの方が観たかった気がする。
またPTAのコーナーをこの三曲のどれかの間に挟むというこれも新たな試みだった。

新たに披露された(たぶん)曲では、
「Next Stage with You」なんかは割りとというかすごく簡単な振り付けだったと思う。
あ、ずっとそれなの?っていう笑
「Miracle Worker」はおそらくスタンディング席を設けた幕張のために仕上げてきたような曲のアレンジとダンス。
「Baby Face」はひとつのブレイクとしてこれからのライブで重要な曲になってきそう。
個人的には「TOKIMEKI LIGHTS」の振り付けが一番好き。
4年以上前の曲も何曲かやって観れることもできた。

どんどっとーどんどっと―。「STAR TRAIN」でクロージング。

ライブは終始「あ、これやるの?これも?」みたいな感じで進行していった印象だった。
Perfumeさんとはライブも久しぶりだし、このところ入れ込んでも無ければ、
かといって離れすぎてるわけでもない距離感で過ごしてきたので
いい意味で期待をしなかったせいでライブを楽しむことができたと思う。

ひとつトピックを挙げるならあ~ちゃんの最後の発言
マディソンスクエアガーデンでライブを行うという目標を掲げました
あと2年でそれを達成出来たらと思っています
である。
いったいこれが何を指し示すかだ。
MSG?2年という期間とは?

ここからは自分の推測になるが、
2年って何よ、2年後に何がある?というと、年齢的な話かな、と。
2年後彼女たちは30歳になる(今年28になることを除くと)。
この年齢的なものがちょっと前のPerfumeさんの間でネックになっていたところ。
というのも彼女たちが25歳であった3年くらい前からファンのあいだでは
「3人はPefumeを続けたくないんじゃないか?」という噂が流れていた。
あ~ちゃんの、それまであまり見られなかったライブでの弱気な発言だったり、
そういうのがその噂がでたもとの理由になっていて、
実は海外公演は本人たちが乗り気じゃないのでは?といった眼差しも向けられたりしていた。

女性でいうと25歳や30歳という年齢は一つの節目みたいに言われることが多い。
実際にそれを意識する方が多いのも事実だ。
Perfumeの活動はいわずもがなもう長く
結成10年の記念ライブである東京ドームのときでさえ彼女たちは22歳だった。
そういうこともあり、処々の噂の流布とその内容はいろんなものが重なった結果起こったのかもしれない。

それがまあ事実だったと仮定して、2年後は3人は30歳という年齢になるわけだ。
そこを一つの区切りに設定したのかもしれない。
それが達成できなかったら?実際に30になったら?そのとき何が起こるだろうか。

ファン的には、少なくとも自分にはネガティブな想像しか頭に浮かんでこない。

しかし。
ここで発想を変えてみよう。
「マディソンスクエアガーデンあと2年でそれを達成出来たらと思っています」というのは、
ともすればそれを達成すればその先の展望が見えてくる。
人気が出てくれば海外公演もいままでよりは行いやすくなるかもしれない。
なにより彼女たちがPerfumeを続けようという気持ちも芽生えるかもしれない。

であるなら、この2年という期間にファンは全力で応援のやりがいができるということ。
あんなに多くの人に元気と感動を与える3人が、今またここで改めてファンにお願いをする。
まるでブレイクする前の下積み時代の昔に戻ったかのようだが、ここでも発想を変えよう。
「あの素晴らしいステージを見せてくれる3人が、本気になって我々にお願いをしている」。
とくれば、ファンは応援をしていくという他はないし、それはまた彼女たちを喜ばせることになる。
全く以て良いことではないか。

個人的に今回のライブは「実験をしてるのかな?」と思った。
それも「マディソンスクエアガーデンでライブを行う」という目標を掲げたということなら
どうしてこんな内容になったのかが見えてくる。
STORYのギミックを持ってきたこともわざわざメドレーを盛り込んだことも、
凝った映像とギミックを駆使したこともすごろくを敢えて取り入れたことも、
これが「どのパフォーマンスでお客さんはどんなリアクションをするか」を探っていたということなら
納得がいく。
セットリストも同じだ。わざわざメドレーで何曲もやったのも、昔の曲を盛り込んだことも、すごろくもそう。
「どの曲が人気があるか」を見ていたということだろう。
それに「急すぎて会場が抑えられなかったのでは」という憶測がとんだ今回のアルバムリリースツアーの日程も
MSGという目標が掲げられたことを受けてでもあるだろう。
これらはこれから2年の工程表の上に載ったスケジュールだ。
ライブのセットや曲目もツアーの開催も、「実験を行っている」と見えたのは
「MSGのライブを達成するため」ととらえれば、全て辻褄が合う。
結果盛りだくさんの内容になったのはこういうことだったのだ。

そうすると、幕張メッセで初の大型スタンディングライブを行うという新たな試みも
これからを目論んだ一手かもしれない。
会場も三日も押えているし、その中で試行錯誤することもできるだろう。
もしかしたら幕張限定のセットやステージの変更もあるかもしれない。

冒頭のカウントダウンの映像と「Cosmic Explorer」で流れた映像には宇宙船が現れていた。
冒険者である3人はその船に乗り込み、彼方へと旅立つ。
そしてステージに現れた3人もまた、大いなる宇宙へと旅に出る。
そしてPerfumeの大きな旅を目の当たりにした、それを見た我々もまた
「Cosmic Explorer」の当事者である。
冒険者は彼女たち3人だけではない。
あの時客席から見ていたファンもPerfumeの仲間であり冒険者なのだ。

どうだろう。遠い目的地まで、我々もクルーとして
同じ宇宙船に乗り込んでみようではないか。
彼女たちと新たなスタートを切ってみよう。
遥かなる宇宙へ一緒に旅に出よう。
今こそ大きな夢を追って、それを現実のものにしようではないか。
それが我々に与えられた使命かもしれない。

この6thツアーこそ前回から続く単なるツアーではなく、
次につながる、また1からのスタート、
1stツアーなのである。

Negicco 「ティー・フォー・スリー」」 を聴いてみた

2016.05.28.Sat.22:56
前作「Rice & Snow」はいくつもの色が折り重なったカラフルな、
それでいてそれはビビッドの色合いではなくパステルカラーで彩られた、
様々な表情を見せた快作だった。

本作「ティー・フォー・スリー」はそのカラフルな前作から一転、
白と黒のモノトーンで構成された、シックな色合いになっている。
その白黒の夜の街、あるいはライブハウスの暗がりに
ときおり赤や青、緑といったライトがほのかに映る。
とても落ち着いた雰囲気であり、
しかし前回よりもテンションが落ちたかといえば全くそうではない、
素晴らしい作品に仕上がっている。

「ねぇバーディア」で高らかに始まった恋、
期待に胸とシャツが膨らむ5月の「RELISH」。
音楽は時として嫌なことを忘れさせる「マジックみたいなミュージック」であり、
恋の始まりから音楽が生まれる。「恋のシャナナナ」
そして疲れた心と体を温める癒しを曲とスープに込める「Good Niigt ねぎスープ」
「江南宵歌」は一人、旅に出た先の目に映る風景のよう。
揺れる灯りがそのまま心の揺らぎになって聴こえる。
またある人は、過去の思い出の場所にふいに訪れてしまう。
そこで肘をかける「カナールの窓辺」
窓を開けたら見つけた「虹」に、そしてまた流れる音楽に少しづつ自分を取り戻していく。
と思ったら行く手を阻むのは突然の知らせ。
文明の利器は失礼で節操がない。あんたも私の敵なのか。「SNSをぶっとばせ」
前にあの子から聞いた相談でしかなかったけど、自分にいまその悩みが襲う。
そして出した一つの答え「矛盾、はじめました。」
一週間が終わっても気分がふわふわと宙に舞う「土曜の夜は」
時計は午前二時。「おやすみ」と自分に言って眠れない夜。
心も体もいまだ揺れ動いたまま。いまはただ自分を支えるだけで精いっぱい。
未来に想いを馳せる。
そのとき自分はどうしているだろう、「私へ」。

聴いてみて思ったのは80年代末から90年代を思わせる曲調。
ミュージシャンやアイドルに至るまでEDMを取り入れる2010年代も後半に差し掛かったこのご時世に、
なかば時代を逆行するかのようなアレンジがとても特徴的だ。
そしてこの楽曲群が「ああ、Negiccoだなあ」思わせるくらい、はっきりとグループとしての色を作り上げた感がある。

だが、「恋のシャナナナ」これだけは時代が違う。
「GAME」時代のPerfumeから着想したのではないかという曲調になっている。
この圧倒的な90年代感からポッと2000年代後半にタイムスリップする。

また「SNSをぶっとばせ」はこの曲だけか?モノラルになっているのも気になった。
まるでカセットテープをカーステレオで聴いているかのような雰囲気。
ここもアルバムの90年代感を後押ししている。

アルバム全体を通して統一感が生まれているのと同時に、
意図してかしていないのかストーリー性が感じられるのも面白い。
「Rice & Snow」ではまるで一年を通して夏、秋、冬と、
過ぎ去っていく季節の移り変わりを目の当たりにするようだった。
しかし「ティー・フォー・スリー」は移り変わるのは、あるひとりの女性の心だ。
スポットが当たるのは異なった場所や季節によって綴られる思い出の1ページではなく
ひとりの主人公の周りで起こるドラマであり、等身大の女性の姿だ。
中心になっているものが前作では起こる出来事…「外面」だったが、
本作では人間の「内面」的心情にシフトしているのがポイントである。

ここまできて思い浮かんだ言葉は「大人の女性」だ。
しかしそこはまだいろんな経験を積んでいる最中の20代半ばくらいといったところだろうか。
そんな「大人の女性」に少しづつ近づいている彼女たち、Negiccoの3人を表しているとも言えるし、
彼女たちがこれを歌うから曲にリアリティが出ているともいえる。
この絶妙さ。
アルバムのタイトルを「Tea for three」としたのもそんなところからかもしれない。

また傑作が生まれてしまった。
そんなところ。









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